女子日本がワールドシリーズで過去最高更新の6位。中村「地に足つけてハードワーク続ける」
7人制ラグビー(セブンズ)の強豪国が競う「HSBC ワールドラグビー セブンズシリーズ」において、9年ぶりの準々決勝進出を果たした女子セブンズ日本代表(愛称:サクラセブンズ)が、1月21、22日に開催されたニュージーランドのハミルトン大会で6位に入り、2014年ブラジル・サンパウロ大会の7位を上回ってチーム史上最高成績を収めた。
プールステージでカナダを下し、8強の最後の枠に入った女子セブンズ日本代表は、大会最終日の準々決勝で開催国のニュージーランドに挑んだが、12-43と完敗。
果敢に挑み、相手にイエローカードが出て数的有利となった時間帯にスクラムからキャプテンの平野優芽が抜けてトライを決め、その後も出足の速いディフェンスで黒衣の女王にプレッシャーをかけた。後半3分には、原わか花が永田花菜との連係で自陣から抜けてゴールへ走りきった。
しかし、日本と同じく若手が成長し、15人制ワールドカップで優勝を遂げたスターたちも復帰したニュージーランドは、1対1のスキルや接点の強さなどでもレベルの違いを見せつけ、大差がついた。
そして、5位以下のトーナメントに回った日本は、プールステージでも競っていたフランスと再び対戦することとなり、19-12でリベンジに成功した。
内海春菜子が先制したあとゲームをひっくり返されたが、後半4分に平野がゴールに持ち込み、コンバージョン連続成功で逆転。終盤には須田倫代もトライを決め、トップ6入りとなった。
最後の5位決定戦でもサクラセブンズは健闘したが、イギリスに10-14と惜敗した。
粘り強いディフェンスを続けていたものの、14点ビハインドで折り返すこととなった日本。それでも食らいつき、後半4分、永田の好走後、クイックリサイクルから中村知春、大谷芽生、梶木真凜とテンポよくつなぎ、5点を奪い返した。逆転することはできなかったものの、サイレンが鳴ったあとのラストアタックでは全員で根気よくつなぎ、梶木の連続トライでチャレンジを締めくくった。
女子セブンズ日本代表の鈴木貴士ヘッドコーチは、「前大会(12月/ケープタウン)では自分たちのミスにより勝ち切れない試合が続きましたが、今大会は最後まで自分たちのラグビーにチャレンジすることができ、過去最高位の6位で大会を終えることができました。最後まで戦い続けた選手たちに感謝したいと思います」とコメント。
ベテランの中村は、「長くかかりましたがやっと、ワールドシリーズで過去の自分たちを超えることができました。全員のハードワークのおかげでようやく日本のスタイルと言えるものが形作られてきました。ただ、自分たちでもまだ強くなっている実感が持てていないのが現状なので、この結果が実力であることを証明できるよう、次の大会も地に足をつけてハードワークし続けたいと思います」と述べ、次週のシドニー大会を見据えた。
一方、男子セブンズ日本代表はハミルトン大会を15位タイ(最下位)でフィニッシュ。
プール戦でウルグアイから1勝を挙げたものの準々決勝進出を逃し、下位トーナメントではイギリスに12-24、スペインに17-21で敗れ、悔しい結果となった。
サイモン・エイモー ヘッドコーチは、「今大会、チームにはデビューしたばかりの若い選手が3人(中村悠人、大内錬、植田和磨)いました。結果は15位でしたが、パフォーマンスは日々向上しており、初日(1日目)にはウルグアイを破る好パフォーマンスを見せました。各試合とも前半はプレーの判断や技術的な部分でも良かったのですが、後半になると疲れが出てきて集中力を欠き、判断や技術的なミスもあり、トライを奪われてしまいました」と振り返る。「しかし、今大会を通してチームが見せたハートとファイトには満足しています。来週のシドニー大会ではこのファイトを維持し、疲れたときの集中力と判断力を高めることで、大会順位を上げることを目指したいと思います」