国内 2022.12.05

気持ちの入った近大を、後半突き放す。京産大、貫禄の2連覇。

[ 編集部 ]
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気持ちの入った近大を、後半突き放す。京産大、貫禄の2連覇。
自陣からのパス回しで一気に取り切ったトライに喜ぶ京産大(後半36分/撮影:毛受亮介)
2季連続6回目の関西優勝を成した京産大。連覇は24季ぶり(撮影:毛受亮介)

 後半突き放したのは地力のある証拠だ。

 花園ラグビ-場で12月3日に行われた関西大学リ-グ最終節で、京産大は近大を45-19で破る。昨季に続き7戦全勝で、関西リ-グ2連覇を果たした。

 前半は選手権出場のかかった近大の気迫に押され15-13と僅差で折り返すも、後半に4トライを畳みかけて点差を広げた。

 7点差以内の負けでも選手権出場が決まる近大だったが、あくまで「この試合に勝てば全国という考え」(FL中村健志主将)で臨んだ。

 この試合にかける思いを、試合開始のキックオフ直後から見せる。
 PR池田真人のタックルからHO平沼泰成がジャッカル成功。SO半田裕己が3点を加える(2分)。

 7分にはPGを返され同点とされるも、直後にLO甲斐登生がジャッカル。甲斐はその後のアタックでもゴ-ル前に迫るゲインを見せた(その前のパスがスロ-FWの判定に)。
 ラインアウトでのミスとスクラムでの反則が響き、25分には逆転を許すも(3-8)、29分にはNO8古寺直希の好タックルから反則を奪う。PGですぐさま点差を縮めた。

 なおもディフェンスからリズムを作る近大は34分、ブレイクダウンでのタ-ンオ-バ-からFB阿曽有馬の突破でチャンスメイク。最後はFL岩本圭伸がラック脇を突いて逆転した。
 36分には再び逆転されるも、13-15と僅差で前半を折り返した。

 しかし、後半に拮抗した展開を終わらせたのは京産大だった。なかでもLOアサエリ・ラウシ-は出色の出来。
 後半開始早々、キックミスを見逃さなかったラウシ-は、ステップを切りながらスピ-ドを上げそのまま相手を振り切った。11分には相手のキックの処理ミスで宙に浮いたボ-ルをラウシ-が捕球。そのまま敵陣を駆け抜け、WTBシオネ・ポルテレに難しいラストパスを通した。

 相手の小さなミスを得点を変えた京産大は、その後もFWがセットプレ-で優位に立ち続け、BKはCTB家村健太が裏への好キックで相手を背走させる。
 23分にはゴ-ル前でのFW戦でフェイズを重ね、最後はLO堤田京太郎がもぐって2トライ目。32-13と19点差まで広げて、相手の戦意を削いだ。

 最後に意地の1トライを返されるも、45-19でノ-サイド。
 2位の天理大が同志社大に敗れたため、試合前に決まっていた2季連続の関西優勝に全勝で花を添えた。

 共同主将のFL福西隼杜は「前半は受けてしまいましたが、後半は近大の勢いよりも僕たちの勢いが上回れた。(圧力を受けた)ラインアウトで人数を減らしてみたり、レパ-トリ-が増えてきた」と自軍の修正力を評価。

 廣瀬佳司監督は「今年は圧倒できた試合も何試合かありましたが、安定して力が発揮できているという評価を得ることもあったけど、我々は全然そうは思ってなかったです。毎試合が必死です」と秋のリ-グを振り返った。

 36度目の選手権に挑む京産大は、充実した戦力で悲願の日本一を目指す。昨季は準決勝で、優勝する帝京大をあと一歩まで追い詰めた。
 福西主将はリベンジに燃える。

「(選手権では)いい試合をするのではなく、勝たないといけない。勝てる自信はついてきています」と手応えを口にした。

 初戦の準々決勝は12月25日。流経大×慶大の勝者を、花園ラグビー場で迎え撃つ。

●関西大学Aリ-グ(最終順位)
1位  京都産業大学(勝ち点33)
2位 天理大学(25)
3位 同志社大学(16)
4位 関西学院大学(15)
5位 近畿大学(15)
6位 立命館大学(14)
7位 摂南大学(12)
8位 関西大学(6)
*4位、5位は当該同士の対戦結果による

後半36分にダメ押しのトライを挙げたCTB高井良成(撮影:毛受亮介)
渾身のファイトでチームを牽引したSH田原慶人。近大は無念の5位となった(撮影:毛受亮介)

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