来季ワールドセブンズシリーズの男子コアチームは「12」に削減。改造で残留・昇降格争い激化
2024年のパリオリンピックへ向け、セブンズ(7人制ラグビー)のワールドシリーズはますます激しい戦いになりそうだ。
国際統括団体のワールドラグビーは11月末、セブンズワールドシリーズの将来についてのエキサイティングな新規枠組みを発表し、2023年12月にキックオフとなる来シーズンは、7か月間にわたり世界の象徴的な7都市で7ラウンドを男・女合同で開催するモデルに変更。そして、オリンピックの競技形式にあわせ、男子は参加チーム数を現在の「16」から「12」に減らすことが決まった(女子は現在も各ラウンド12チーム参加で実施)。
よって、今季ワールドシリーズで下位になったチームは下部大会のチャレンジャーシリーズに降格する可能性が高まった。
現在、男子のワールドシリーズに常時参戦している“コアチーム”は15チーム。男子セブンズ日本代表もそのなかに含まれるが、今季2大会を終えてコアチーム最下位(15位)と苦しんでおり、自動降格の位置にいる。
シリーズの総合順位は各ラウンドの成績に基づいて与えられるポイントの合計によってランク付けされることになっており、男子は今季11大会を予定しているが、第10ラウンドのトゥールーズ大会が終了した時点で15位(コアチーム最下位)のチームは自動降格が決定。12位~14位のチームは、ロンドンで開催される最終ラウンドで、チャレンジャーシリーズ2023の優勝チームと一緒に残留・昇降格をかけたプレーオフに参加することとなる。そして、そのプレーオフで1位になったチームがワールドシリーズ2024の12番目のコアチームとなり、残りの3チームは、2024年のチャレンジャーシリーズの資格を得るためにそれぞれの地域のセブンズチャンピオンシップに参加する。
新興国にもワールドシリーズへの昇格経路が増えたことは大きな進展である一方、コアステータスを保つのは難しくなった。
なお、今季ワールドシリーズでは男女とも、フランスを除く上位4チームにはパリ2024オリンピックの出場権が与えられることになっており、上位争いも最後までエキサイティングな展開になりそうだ。
2023年12月にキックオフとなる改造版ワールドシリーズは、男女とも12チーム参加で、第7ラウンドの大会が毎年恒例のグランドフィナーレとなり、6ラウンド終了時のランキングで上位8位までに入ったチームがシリーズチャンピオンの座を競う。一方、9位から12位のチームはチャレンジャーシリーズの上位4チームとともにプレーオフを戦い、プレーオフの上位4チームが次回ワールドシリーズへの出場権を獲得、負けた4チームは次回のチャレンジャーシリーズへの出場権を得るため各地域大会に参加することになる。
そして、もう一つの画期的な進展として、男子チームと女子チームが同額の参加費を受け取ることになり、この新しいモデルにより、ワールドラグビーの参加費への投資は70%増となる。
ワールドラグビーは、プレーヤーウェルフェアを最優先に考え、大会数を減らすことで、プレーヤーがピッチに立ったときに最高のパフォーマンスを発揮できるようにする。また、今年初めに発表された「ワールドラグビー環境サステナビリティ計画2030」に沿って、より環境的に持続可能な大会を運営していくという大志を支える。
開催地招致の応募には、かつてないほど多くの都市が手を挙げているという。来季シリーズの開催地や大会日程、新しいブランド・アイデンティティについては数か月後にあらためて発表される。