【関東大学リーグ戦2部】 1部入替戦切符は拓大と専大。中大は7点差に泣く！

　関東大学リーグ戦2部は11月27日に最終節を終えた。前年度1部から降格した中央大、専修大が加わり1部昇格を争う対決は熱かった。前年度5位と低迷していた拓殖大が10月9日に専大（21－19）、16日の中大（41－21）と立て続けに破り勢いに乗った。11月27日も白鷗大を39－7と寄せ付けず7戦全勝で優勝した。

　もう1枚の入替戦出場、2位の切符は専大（5勝1敗、勝点25）と中大（4勝1分け1敗、勝点21）の争いに。専大は勝てばもちろん7点差以内の負けでも勝点1を得るので優位にたっていた。
　決戦は午後1時、中大グラウンド。両校OBや家族が詰めかけるなか行われた。
　試合終了前10分間で専大が2トライ2ゴール14点を奪い、中大24－17専大と、その7点差で終える。専大が勝点26、中大の25を上回り2位、入替戦出場を決めた。

　試合開始から負けられない中大が支配した。中大が蹴ったキックオフのボールを専大がノックオン。続く中大ボールスクラムで中大が押すと専大が反則。中大はゴール前右ラインアウトへ進んだ。ラインアウトからモールを押し込むとHO光安喬平（2年、大阪桐蔭）が最初のファイブポインターになる。開始わずか2分、ゴールキック（G）もSO津田貫汰（4年、桐蔭学園）が決めた（7－0）。幸先良いスタートに応援の声も沸く。

　前半、冬の太陽光を正面から受ける中大を意識して専大は高いキックを上げ続けていた。
　18分、専大が中大陣で反則を得てFB古里樹希（4年、東福岡）がPGを成功した（7－3）。
　24分、専大がノータッチのキックミス。中大が右ラインアウトから攻め込むとCTB水野陸（3年、東京）が中央へトライ、Gも決め14－3に。

　5分後、中大FB山田翔平（3年、國學院栃木）がゲインしゴール前5メートルのスクラムにつながった。優位なスクラムを押すと、SH野村幹太（1年、東京）は右のショートサイドをつきインゴールへ運んだ。
　36分には右ラインアウト起点に展開し、WTB杉本崇馬（4年、佐野日大）が右隅へ飛び込んだ。この時点で24－3となる。
　専大は前半終了間際、得点差を詰めるためにFB古里が約45メートルのPGを狙うも外れた。

　ハーフタイム。中大主将NO8山崎成太（4年、東京）は「人生最高の時間を過ごそう」と仲間を鼓舞した。

　後半、点を取るために専大が仕掛ける。キックオフから4分間ほど攻めるも最後はゴール前でノックオン。12分すぎ、専大がゴール前のスクラムを押す。NO8丹治好晴（2年、東海大相模）がポスト下へ押し込むも、中大・山崎らがダブルタックルで防いだ。15分には丹治が空中の危険なタックルでイエローカードを受ける。2分後、専大はマイボールラインアウトからのモールでノックオン。22分にはブレークダウンで中大の圧力を受けてノックオン。30分すぎにも中大陣22メートル内のラインアウトから攻撃もノックオン。自滅していた。

　しかし「継続すればトライを奪える」。専大、村田亙監督は選手を信じていた。33分、中央線付近のラック。SOのポジションでプレーしていた13番・高居海靖（3年、御所実業）がボールを持ち出す。中大ディフェンス網のなか、50メートルを走り抜け中央にトライ。Gは古里が決めて24－10と迫る。

　そして3分後、専大は右中間でアタック、ライン際を走るWTB飯塚稜介（3年、桐蔭学園）にオフロードパスがつながった。右中間インゴールへ身を置いた。24－15の9点差。「自分たちのミスで負けていた。それでとても焦っていた。（トライは）外のスペースが空いていた」（飯塚）。大事なG、古里は「練習通りに蹴りました」。バーの上を通過し、24－17と2位圏内に入った。
　残り時間、中大は懸命に攻めるも、最後はボールが外へ蹴り出された。試合の勝者に笑顔が消える、という光景。中大、山崎主将はずっと涙を流していた。

　辛うじて入替戦を確定した専大HO山口利明主将（4年、桐蔭学園）は「負けているときも僕が落ちていたら（下を向くと）ダメ。声をかけ続け皆を鼓舞しました」。
　1部7位の大東文化大が入替戦の相手だ。村田監督は「大東は外国人留学生もいてフィジカルが強いが、専大は走り勝つ」と宣言した。

■関東大学リーグ戦2部 順位　※（　）内は勝点
1位：拓殖大（33）、2位：専修大（26）、3位：中央大（25）、4位：山梨学院大（22）、
5位：國學院大（12）、6位：白鷗大（10）、7位：朝鮮大（5）、8位：国士館大（0）

■関東大学リーグ戦3部 順位
元東芝ブレイブルーパスの冨岡鉄平氏が指導する駿河台大が7連勝で優勝した。
1位：駿河台大（31）、2位：東京農業大（28）、3位：東京都立大（18）、4位：防衛大（17）、
5位：東京工業大（14）、6位：千葉商科大（11）、7位：千葉大（7）、8位：玉川大（5）

■関東大学リーグ戦4部 順位
昇格1年目の新潟食料農業大は7戦全勝で優勝し3部との入替戦に進出。
1位：新潟食料農業大（35）、2位：駒澤大（29）、3位：順天堂大（20）、4位：神奈川大（14）、
5位：国際武道大（14）、6位：獨協大（10）、7位：東京理科大（8）、8位：横浜国立大（5）

■関東大学リーグ戦5部 順位
4チームずつ2組で総当たり戦を行い、11月27日、同じ順位のチームで対戦、順位決定戦を行った。地区対抗からリーグ戦へ加入した東京外国語大は2年目で4部との入替戦確定。
1位：埼玉工業大、2位：東京外国語大、3位：東京経済大、4位：桜美林大、
5位：創価大、6位：芝浦工業大、7位：千葉工業大、8位：北里大