日本のW杯ライバルが前哨戦 アルゼンチンが敵地でイングランドを下す
開幕まであと10か月となったラグビーワールドカップ2023(男子大会)で日本代表と一緒のプールDに入り、トップ8入りへのライバルとなるイングランド代表(現 世界ランキング5位)とアルゼンチン代表(同8位)が11月6日にロンドンのトゥイッケナムスタジアムで激突。“前哨戦”は、30-29でアルゼンチンが制した。
アルゼンチンがイングランドに勝ったのは13年ぶり。トゥイッケナムでの勝利は2006年以来となった。
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前半をリードしたのはイングランドだった。24分には敵陣深くのスクラムからの攻撃で、SHベン・ヤングスの近くに走り込んできたWTBジョー・ゾカナシンガがディフェンスを破り、ファーストトライを挙げた。
アルゼンチンがWTBエミリアノ・ボフェリのペナルティゴール(PG)で得点を重ねたのに対し、イングランドも優秀なゴールキッカーであるCTBオーウェン・ファレルが着実にショットを決め、4点差をつけて折り返した。
しかし、アルゼンチンは46分(後半6分)、敵陣22メートルライン内に入ると、ラインアウトからすぐにボールを展開し、ループでSOサンティアゴ・カレーラスがブレイク、左外でパスをもらったボフェリがフィニッシュし、逆転した。
アルゼンチンはさらに51分、ディフェンスでプレッシャーをかけてボールを奪い返し、10番のカレーラスが50メートル以上走り切って追加点。24-16となった。
流れを変えたいイングランドは54分、入替で入ったばかりの21歳SHジャック・ヴァン・ポートヴリートがラックサイドのスペースを抜けてゴールへ走り切り、トライ。コンバージョンも決まり1点差に詰めた。
その後、両チームともPGを2本ずつ成功。
試合全体的に、テリトリー、ポゼッションとも大きく下回ったアルゼンチンだが、ディフェンスにはしぶとさがあり、終盤はセットピースでも奮闘し、最後まで果敢にチャレンジし続け、接戦を制した。
指揮官が名将のマイケル・チェイカに替わって今年8月にはニュージーランドの地で同国代表オールブラックスを倒しているアルゼンチン代表。ヨーロッパ遠征の初戦でも大きな自信をつけ、次週、現地時間12日にはカーディフでウェールズ代表に挑む。
一方、苦汁をなめさせられたイングランド代表は同日、トゥイッケナムで日本代表と対戦する。つけるエンブレムを桜から薔薇に変え、今回の敗戦で厳しい目を向けられるエディー・ジョーンズ ヘッドコーチにとっても絶対に負けられない重要な一戦となる。