ワールドカップ 2022.11.05

【RWC2021】 昨年のリベンジなるか? ブラックファーンズ準決勝でフランスに挑む

[ 松尾智規 ]
【RWC2021】 昨年のリベンジなるか? ブラックファーンズ準決勝でフランスに挑む
準々決勝のウエールズ戦でトライを決めたサラ・ヒリニが7番を任される。(Getty Images)



「彼女たち(フランス)は、やきもきしているだろう」
共同キャプテンのルアヘイ・デマンドが真剣な眼差しで語った。

ニュージーランド(以下、NZ)で開催中のラグビーワールドカップ2021大会は、ベスト4が出そろい準決勝に突入。会場を開幕戦の舞台、イーデンパークに戻して決勝まで行われる。

 11月5日に実施される準決勝の第1試合では、優勝候補の大本命イングランドがカナダと対戦する。
 第2試合は地元NZ代表、ブラックファーンズ がフランスと戦う。イングランドに次ぐ優勝候補の2チームの対戦は白熱しそうだ。

 自国開催の大会で決勝進出を誓うブラックファーンズが発表したフランス戦のメンバーは、準々決勝からメンバー変更は僅か一人。メンバーを固めてきた。

◆注目はバックスリーのセレクション

 ブラックファーンズの準決勝のメンバーは、FWは準々決勝からベンチも含めて変更なしとなった。
 共同キャプテンのケネディー・サイモン(FL/NO8)は復帰2戦目で、セブンズのキャプテン、サラ・ヒリニとのポジション争いが注目されていた。
 しかし、ウェイン・スミスHCの決断は、フランスとの大一番でもヒリニを7番に据え置いて、サイモンをベンチスタートとした。

 ヒリニのワークレートの高さは、試合を重ねるごとに上がっている。スミスHCが目指す高速ラグビーに欠かせないものとなっている事から、このセレクションは納得できる。
 フィジカルに強いサイモンを後半から投入し、インパクトに期待しているのだろう。
 BKに目を向けると、バックスリーのセレクションがNZ国内のメディアやラグビーファンに注目されていた。
 準々決勝ではルビ・トゥイをFBにして超攻撃的布陣だった。その結果9トライの猛攻を見せた。
 しかし準決勝は、キッキングゲームに長けているフランスが相手だ。スペシャリストのFBレニー・ホームズを15番に抜擢した。

 ルビ・トゥイは本来のポジションのWTBに戻り、ポーシャ—・ウッドマンを含め、バランスの取れたバックスリーの布陣となった。
 トゥイがWTBに入った事により、先週11番で先発だったパワフルなランが持ち味のアイシャ・レティ・イイガは、ベンチスタート。疲れが出てくる後半に投入されるだろう。
 相手にとっては恐怖に違いない。

 15番に抜擢されたホームズが今回のセレクションンの注目の的となった。インタビューでは、大一番で先発で起用されたホームズの興奮した様子がうかがえた。
 オールブラックス(男子NZ代表)のレジェンド、ダン・カーターのキック指導も何度か受けており、キックに磨きがかかったとのこと。楽しみだ。
 接戦が予想される事から、ホームズの正確で距離の出るゴールキックも大事になってくるだろう。大一番で抜擢されたホームズへの期待は大きい。

◆ブラックファーンズがフランスにリベンジするためには?

 ブラックファーンズは、昨年末の遠征でフランスに2試合とも大敗した(13−38、7−29)。そのリベンジに闘志を燃やしている様子がひしひしと伝わってくる。
 共同キャプテンのデマントは、「私たちは昨年とは全く違うチームです」と語った。
 不安はないようだ。

 それでも、ワールドカップに入ってからのフランスの試合を見ていると、やはり手ごわい。セットピース(スクラム、ラインアウト)に安定感があり、ブラックファーンズほど攻撃力があるわけではないが、固いディフェンスが印象的だ。

 プール戦ではイングランドに7−13で敗れたものの、あのイングランド相手に失トライは僅か1とディフェンスの強さは折り紙付きだ。
 ブラックファーンズが勝利するには、フランスの強力なディフェンスを破らなければいけない。
 勝敗を分けるカギは、そこにある。

 ブラックファーンズのBKの攻撃は驚異的で、試合を重ねるごとに進化している。
 準々決勝のCTBコンビ、12番テレサ・フィッツパトリック、13番ステイシー・フルーラーのスキルレベルの高さは圧巻だった。この2人が準決勝でも決定力のあるWTBウッドマン、トゥイにボールを渡す場面が多くなれば勝機が見えてくる。

 その決定力のあるBKを活かすには、FWの出来にかかっている。
 まずは、フランスに対してセットピースで対抗できるか見極める必要がある。
 世界一のスクラムコーチと言われるマイク・クロンのコーチングにより、準々決勝のウエールズとの再戦では、スクラムが改善された。フランス戦ではどうなるか楽しみだ。

 FW戦で上手くいけば、決定力のあるBKがトライを量産するだろう。
 ディフェンスの固いフランスでもブラックファーンズの攻撃を止めることは容易でない。
 フランスに勝機があるとすれば、セットピースで有利に戦い、得意のキッキングゲームに持ち込むことだ。敵陣で試合をしたい。
 しかし、キックからブラックファーンズのカウンターアタックの餌食になりかねない。フランスのゲームプランも見どころだ。

 ディフェンスのフランスか、攻撃のブラックファーンズか。
 どんな試合をしてくれるのかワクワクする。


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