「うまい!」「楽しい!」とスクール生たち興奮。『オールブラックスラグビークリニック presented by リポビタンD』で8選手がコーチに
日本代表が、オールブラックスにホームで挑戦。10月29日に迫った『リポビタンDチャレンジカップ2022』(14時50分開始/国立競技場)に向けて、オールブラックスの面々は10月22日に日本入りした。
翌23日、選手8人の姿が浦安市内のグラウンドにあった。待っていたのは、地元千葉県の、柏ラグビースクール、浦安ラグビースクールの小中学生たち約100人。大正製薬の企画によるラグビークリニックのためだ。オールブラックが指導するセッションは2時間におよび、スクール生たちを魅了した。
参加選手はデイン・コールズ、コーディー・テーラー(二人合わせて156cap!)のベテランHO二人を筆頭に、2023年のワールドカップ後にコベルコ神戸スティーラーズに加入するFL/NO8アーディー・サヴェア、そしてPRジョージ・バウアー、SHフィンレー・クリスティー、CTBアントン・レイナートブラウン、WTB/FBのレスター・ファインガアヌクとケイリブ・クラークの8人。プレー中とは打って変わって、スマイルと和やかな空気でセッションに臨んでくれた。
スクール生とその保護者、関係者、多くのメディアの拍手の中、登場した選手たち。迎えたのは柏ラグビースクールの小学生による柏市特製のハカ。
「ターリンガ ファカロンゴ……!」
本格的な発声と舞に、オールブラックたちは驚き、神妙に見守り、演舞が終わると大きな拍手でそのパフォーマンスを称えた。ワールドカップ2019年大会で、オールブラックスの事前キャンプを受け入れた柏市のレガシーだ。
続くクリニックは、ニュージーランド(NZ)ラグビー協会のマイケル・マーンウィックさんによるウォームアップでスタート。
「初めから力を入れすぎないで。軽く、大きく動かすよ」
NZの同年代の練習がうかがえる雰囲気だ。
メインのセッションはスクール生が4つに分かれたブースを、二人組の選手たちが20分ずつ巡るスタイルで行われた。参加者は、すべての選手に触れることができた。パス、ハンドリング、キック、そして最後のゲーム形式(タッチフット)ではオールブラックたちも混じっての熱戦になった。
合間にも、選手たちのアドバイスが入る。
「最高のチームワークだよ! もっと受け手が元気に声を出してパスをたくさん受けよう。後半もがんばろう」
チームのコーチさながらに笑顔で呼びかけているのは、22歳のCTBファインガアヌク。歩くようなスピードでも、ボールを持った瞬間にアタックがグッと前に出る。優しいパスで、小学生を走らせた。まだキャップ2の新鋭ながら、その振る舞いは黒衣の代表選手だった。
世界一強いチームが、日本のスクール生たちとの時間を、世界一楽しんでいた。
選手の中でもムードメーカーとして異彩を放っていたのは、アウトサイドバックのケイリブ・クラークだ。