「うまい!」「楽しい!」とスクール生たち興奮。『オールブラックスラグビークリニック presented by リポビタンD』で8選手がコーチに
「これに勝ったら、アイスクリーム!」
巧みにドリルを盛り上げる。ただ、小中学生たちが一番うれしそうな顔を見せるのは、ケイリブたちのポジティブな反応だった。練習テーマをうまく消化できた子には、すかさずサムアップ、「うまい!」「いいね!」と目を合わせ、時には肩に手を置いてリアクションしてくれる。
キックのセッションの終わりのトークでは、映画のようなシーンもあった。ケイリブは、溜まりに溜まった「ごほうびアイス」の約束を、なんと隣にいたデイン・コールズに、振った(ケイリブよりも13歳上、現役にしてレジェンドの84キャップ…)。
「はい! では、今からデインさんがドロップゴールを蹴りまーす。もしキックが成功したら、みんなのアイスは、『無し』ってことで。では! コールズ選手…お願いします!」
「おいおい」
突然 振られたベテランHOは、苦笑いでポストに向かってくるりターンすると、ノーステップでドロップキック! 22㍍外×15㍍ライン付近から強いインパクトで飛んだボールは高々と上がり、わずかにHの外へ切れた。スクール生たちが目を丸くした。フロントローワーが一瞬で繰り出したスキルに、彼らの技術の高さがうかがえた。
「め…っちゃうまい」
セッションの合間や休憩の時間、小中学生からはことあるごとに感激の言葉が漏れた。歩いていても、ぶつからなくても、笑顔のまま手足でボールを自在に操る選手たちのスキルに、会場全体が見入るセッションになった。
最後は、指導のサポートに入ったアンバサダーの廣瀬俊朗さん、三宅敬さんらも一緒に全員で記念撮影。NZ協会からの記念品なども受け取り、握手を交わして、楽しいひと時を終えた。
「子どもたちの規律の高さに感銘を受けた。楽しんでプレーしていても、話を始めると耳を傾けてくれる。素晴らしいと思いました」(フィンレー・クリスティー)
「NZの同年代の選手よりもステップがしっかりしている」(デイン・コールズ)
「保護者の皆さん、子どもたちをここへ送り出してくれて、私たちに素敵な機会を下さってありがとう。どうか帰りに、みんなにアイスクリームを買ってあげてください」(ケイリブ・クラーク)
前日到着の疲れも見せずリラックスした表情で過ごした一団は数日後、形相を変えて国立のピッチに立つ。史上7度目の日本代表との対戦は10月29日、土曜の午後だ。