ジャパン、勝利目前で豪州Aに逆転負け。坂手主将「最後に自分たちで首を絞めた」
強豪オーストラリア代表“ワラビーズ”の予備軍、オーストラリアAチームに果敢に挑んだ日本代表だが、勝利を目前にしながら、試合終了間際に逆転され、惜敗した。JAPAN XV(ジャパン・フィフティーン)として臨む「アサヒスーパードライ JAPAN RUGBY CHALLENGE SERIES 2022」の第2戦が10月8日に福岡のベスト電器スタジアムでおこなわれ、21-22で敗れた。ジャパンはこれで2連敗。
「先週のパフォーマンスからすごく成長した部分はあると思う。しかし、最終的には勝ちきれなかった。選手たちはいままでたくさんハードワークをしてきて、結果が出ず非常に残念だと思う。本当に最後まですごくよかったが、最後の5分で自分たちとしては大きな学びがあったと思う」
ジャパンのジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチは試合後にそう振り返った。
ジャパンは最高の立ち上がりだった。自軍が蹴ったキックオフボールを果敢に競りにいって確保し、ミスなくフェイズを重ね、WTB松島幸太朗が右外を抜けて先制トライを挙げた。
その後もテンポよく敵陣で攻める時間が続き、10分にはSO李承信がペナルティゴール(PG)で加点した。
ジャパンは堅守も光り、大柄でパワフルなゴールドジャージーをダブルタックルなどで繰り返し止めた。
オーストラリアAはジェイソン・ギルモア ヘッドコーチいわく、「ゲームの入りのところで苦労し、コントロールするのが難しい時間が続いた」。
しかし、オーストラリアは12分にPGで得点すると、31分にはFBジョック・キャンベルがディフェンスを切り裂き、トライ。キャプテンのSHライアン・ロナーガンがタッチライン近くからのコンバージョンを決め、逆転した。
その後、ジャパンはチャンスをつくったシーンもあったが、ペナルティなどで得点とはならず、8-10で折り返した。
後半先に得点したのはオーストラリアで、44分(後半4分)、自陣でのボール展開からFBトム・バンクスが抜けて大きくゲインし、仲間とのパス交換からフィニッシュ。後半入ったばかりで、ワラビーズとして20キャップを持つ実力を示した。
7点ビハインドとなったジャパンだが、53分にPGで点差を詰め、相手に傾きかけていた流れを止める。ブレイクダウンではNO8リーチ マイケルなどが奮闘し、チームはさらに活気づいた。
そして、62分、ジャパンは敵陣深くでペナルティを得ると、リーチがクイックタップから仕掛けてゴールに迫り、最後もリーチが密集から持ち出して間隙を突き、逆転トライ。コンバージョンを確実に決めたSO李は、67分にもPGで貴重な3点を追加し、21-15となった。
終盤、ジャパンはピンチになりかけた場面でカウンターラックやラインアウトスチールを成功させ、勝利に近づく。
しかし、勝ちきれなかった。キャプテンのHO坂手淳史は、「最後のゲームを決める部分、ペナルティで自分たちの首を絞めたと感じる」と反省する。
試合終了間際、ジャパンの反則で敵陣深くに入ったオーストラリアはラインアウトからモールを組んで前進し、懸命に踏ん張ったジャパンを押し切りトライを奪った。そして、サイレンが鳴ったあと、SOテイン・エドメドがコンバージョンを決め、劇的な逆転ゲームとなった。
ジャパンのジョセフ ヘッドコーチは、「ペナルティや個々のミスで自分たちにプレッシャーをかけてしまった。クリーンアウトやボールキャリーの精度についても修正が必要だと思う。ただ、アタックでやりたいことはみんなの強い意思が見れたので、そこに関してはよかったと思う。相手はオーストラリアAと言ってもクオリティの高い選手がたくさんいるチーム。自分たちも来週に向けて頑張っていきたい」とコメントした。
最終の第3戦は14日に大阪・ヨドコウ桜スタジアムでおこなわれる。
坂手キャプテンは、「やっていることや方向性は間違っていないと思う。いい形でチームとして成長してきているので、このままさらに成長していって、結果を出したい」と力強く語った。