国内 2022.10.07

3年ぶりの国体。少年男子は福岡が大阪を破り2大会連続V、18-17の激戦を制す。

[ 編集部 ]
3年ぶりの国体。少年男子は福岡が大阪を破り2大会連続V、18-17の激戦を制す。
キック力も抜群の大砲、WTB馬田琳平(撮影:福島宏治)
2大会連続優勝・福岡(撮影:福島宏治)
この日もFL中川一星(写真)ら東福岡のバックローは高いワークレートを発揮(撮影:福島宏治)
大阪の必死のディフェンス。この日も福岡の縦の強さは光った(撮影:福島宏治)

 国民体育大会(以下、国体)が3年ぶりに開催された。15の都道府県によるノックアウト方式でおこなわれた少年男子は10月6日に決勝戦がおこなわれ、福岡が18-17の1点差で大阪を破り、2019年の茨城国体に続いて2大会連続7回目の優勝を果たした。

 開催県の栃木(國學院栃木単独)は2日の1回戦で、春夏全国優勝の報徳学園が主体の兵庫といきなり激突したが、これを20-19で制すると、準決勝まで駒を進め福岡と対戦。しかし、10-24で敗れて優勝の目標には惜しくも届かなかった(3位)。

 決勝会場の佐野市運動公園陸上競技場は、この日も前日の準決勝に続き大雨。さらに急激に気温も下がるなど難しいコンディションの中、キックオフの笛が鳴った。

 立ち上がりに攻め立てたのは、23人中21人が東福岡で構成された福岡。PR有田陸のゲインやFL中川一星のキックチャージなどで敵陣にい続けた。だが、セットプレーから徐々に流れを失う。

 ラインアウトでのミスが重なり、マイボールスクラムで反則。6校で構成されたオール大阪は、FL松沼寛治(東海大仰星)のタックルから相手の反則を誘い、PGで先制点を奪った(11分)。

 松沼は直後の14分にも、自陣からラインブレイクを決めて得点のチャンスを作る。敵陣22㍍内に進入すると、SO西川康士郎(仰星)がインゴール内にふわりと浮かせた意表をつくキックを放ち、SH田中景翔(常翔学園)が好捕球で追加点を奪った(10-0)。

 その後もPR浦出睦己、LO新井瑛大が好タックルを決め、FL松岡風翔主将が確実にゲインラインを切るなど、大阪桐蔭勢が力を見せる。

 しかし、次にスコアしたのは福岡。前半終了間際にモールでゴール前に迫り、肉弾戦からLO舛尾緑がトライ。5-10で前半を折り返した。

LO新井瑛大(左)、PR浦出睦己の大阪桐蔭コンビでダブルタックル(撮影:福島宏治)

 後半の序盤は前半までの流れとは打って変わって、福岡がペースを握る。2分、WTB馬田琳平が相手のハイパントをクリーンキャッチしてそのままロングゲイン、相手反則を得て点差を縮める(PG、8-10)。

 後半からハイパント主体のアタックに切り替えた福岡は直後の7分にも、相手のキック処理のミスからマイボールにして、FL大川虎拓郎主将、NO8藤井達哉らのゲインでゴール前へ。最後はLO岡田薫瑠がインゴールに入り、逆転に成功した(15-10)。

 その後もハイパントの処理では後手を踏んだ大阪だったが、この日優位に立っていたスクラムで流れを引き戻す。相手ボールスクラムで猛プッシュ、ボールを奪い返した。

 そして14分、NO8藤原蒼士(仰星)のゲインから大外に展開、HO高尾良生(関大北陽)がインゴール左隅に飛び込んだ。CTBファイアラガ義信ダビデ(常翔)のコンバージョンも決まり、再びリードを奪った(17-15)。

 しかし、相手のハイパントに苦しみ続けた大阪は、再びキックの処理ミスからPGを献上し、残り10分で1点差を追う展開に(17-18)。

 最後は「ノータイム」となってからも自陣からアタックを継続したが、ハーフウェイラインに迫ったところでミス。混成チームとは思えないような繋がりを見せていたが、最後は力尽きた。
 松岡主将は「悔しいけど一番は楽しかった」と、敗れはしたものの充実した表情を浮かべていた。

 なお、成年男子は三重ホンダヒート単独の三重が広島を24-19で破り、2大会連続2度目の優勝。女子もPEARLSが主体の三重が26-5で神奈川を下し、初優勝を飾った。

キックも光ったSO西川康士郎(東海大仰星/撮影:福島宏治)
力強いランでゲインするWTB上嶋友也(撮影:福島宏治)
CTB上田倭士(大阪桐蔭)が突破を試みる(撮影:福島宏治)

*選手や監督のコメントなど詳細なリポートは、10月25日発売のラグビーマガジン12月号に掲載予定です。

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