ジャパン、秋の戦いは黒星発進。奮闘するもオーストラリアAに逆転負け。
ラグビーの男子日本代表がJAPAN XV(ジャパン・フィフティーン)としてオーストラリアAチーム(同国代表“ワラビーズ”に次ぐセカンドチーム)を相手に戦う強化試合、「アサヒスーパードライ JAPAN RUGBY CHALLENGE SERIES 2022」の第1戦が10月1日に東京・秩父宮ラグビー場でおこなわれ、ジャパンは22-34で敗れた。
キャプテンのHO坂手淳史いわく「テストマッチのメンタリティ」で臨んだジャパンは、開始早々、相手に反則が出るとショットを選択し、10番を任された中尾隼太が40メートル以上の距離からペナルティゴール(PG)を決め、先制した。
両チームともキックが多い試合となり、その後、ジャパンは自陣でがまんの時間が続き、オーストラリアにゲームをひっくり返されたが、20分過ぎ、FLリーチ マイケルのターンオーバーなどがあって活気づき、PGで6-6の同点に追いついた。
テンポが出てきたジャパンは37分にもフェイズを重ねて敵陣深くに入り、トライにはつながらなかったものの、相手に反則があり、中尾が確実にPGを決めて勝ち越しに成功。
前半ラストに苦しい時間帯もあったが、中尾と同じく初キャップ獲得を目指すFL下川甲嗣がブレイクダウンで奮闘してピンチを脱出し、9-6で折り返した。
ジャパンは後半の入りもよく、45分(後半5分)、敵陣22メートルライン手前のスクラムから、ボールを手にしたSH齋藤直人がフェイントで瞬時に攻めの方向を変え、バックスがすばやく展開して左外のWTBシオサイア・フィフィタが最初のトライを決めた。
その後、点差を詰められたが、54分にPGでリードを広げ、リスタート後にもフィフィタの力走で敵陣に入ると、テンポよくボールを動かし、切り込んだCTB中野将伍がディフェンダーをひきつけて入ったばかりのWTB松島幸太朗につなぎ、トライ。2季プレーしたフランスから帰国し、けがを克服して半年ぶりの実戦復帰となった松島のファーストタッチからの快走に、満員の秩父宮が沸いた。
しかし、ワラビーズ入りを目指すオーストラリアAの選手たちもハングリーで、58分にゴールラインを割って2点差とすると、61分にはSOベン・ドナルドソンがジャパンのディフェンスを破ってゲインし、キック&チェイスでWTBマーク・ナワンガニタワシがフィニッシュ。オーストラリアが逆転した。ナワンガニタワシは73分にもトライを決めて点差を拡大。
ジャパンの終盤の反撃は実らず、第1戦を落とした。
「たくさんのお客さんに入っていただき、結果を出して応えたかった」
キャプテンの坂手は悔しそうに振り返る。
「いい形もあった。ディフェンスでは練習してきたこと、ダブルタックルをしっかり入れた部分もあったし、アタックは継続すればゲインも取れた。ただ、細かいミスやフィフティ・フィフティのボールを取れないところで相手にゲインラインを切らせてしまった。映像を見て、しっかりレビューしたい」
テストマッチではないが、結果が求められる真剣勝負。坂手はさらなる奮起を誓う。
「同じ相手と3試合できるんで、しっかり修正して、次、勝てるように頑張りたい」
第2戦は10月8日に福岡のベスト電器スタジアムでおこなわれる。