国内 2022.09.14

静岡ブルーレヴズが事務所移転。カフェ併設で選手とファンが触れ合える場所に。

[ 編集部 ]
静岡ブルーレヴズが事務所移転。カフェ併設で選手とファンが触れ合える場所に。
左から山谷社長、草地市長、新村さん(撮影:BBM)

 静岡ブルーレヴズは9月12日から磐田駅前の複合商業ビル「天平のまち」にあった事務所を、磐田市の中心地である今之浦に移転した。

 13日には入居した2階建ての貸しビルで記者会見を開き、山谷拓志社長が移転の理由などを説明。2階を事業スタッフ約30人が利用する執務スペースとし、1階にはカフェを併設して市民やファンが選手たちと気軽に触れ合える場所にすることを明かした。

 新オフィスは市民の憩いの場である今之浦公園の目の前(北側)に位置し、商業施設も近い。多くの人たちがカフェに立ち寄りやすく、市民と交流を深めることができる好立地だ。
 以前は草地博昭市長が当選した際の選挙事務所で、その前はとんかつ屋だったとあり、山谷社長は「縁起がいい」と表情を緩める。

 同社長は今之浦公園を利用したラグビー体験やアウェー戦のパブリックビューイングといったイベントの開催を視野に入れる。「なかなか普段、楕円球に触れることはないので、ラグビーボールの貸し出しも(常時)できれば」と話す。

 今回の事務所移転は従業員の増加に伴う執務スペースの拡張も背景にあった。同時に社内のコミュニケーションを促進するため、フリーアドレスでパーテーションのないオープンな空間を設計。ミーティングエリアにはラグビーグラウンド風のデスクが置かれ、床は芝をイメージして緑色にするなど、ラグビーチームらしいデザインに仕上がった。

 1階のカフェは11月下旬のオープンを予定。浜松市内に2店舗を構えるアメリカンダイナー「High Meal(ハイミール)」が出店する。ハンバーガーやステーキなどを提供する人気店だ。
 座席数は約30席で、テラス席や個室も完備。レヴズのグッズやチケットを販売できるコーナーを設け、試合が見られるモニターも設置する。

 ハイミールのオーナーである新村雅洋さんは浜松市出身。「地元を盛り上げたい、自分の育った地域に貢献したい気持ちが強くあり」、地元で飲食店の経営を始めた。
「そうした中で今回、とても尊敬できるお話をいただいた。自分たちが協力してなにか面白いものが作れるのであれば、ぜひ一緒にやらせてもらいたいと思いました」

 山谷社長は以前より物件次第でカフェを併設するプランを持っていた。昨夏まで代表取締役を務めていたBリーグの茨城ロボッツでは、水戸の中心部でカフェを運営した経験があった。
「そこではファンと選手の触れ合いが生まれ、スポーツチームが交流の場や飲食店を持つことは親和性が高いと感じていました。ラグビーでいえば埼玉ワイルドナイツが熊谷でものすごい施設を作られていたので、うちも何かやりたいなと」

 カフェの併設によって、選手と事業スタッフの交流も活発におこなわれそうだ。
「オフィスと練習拠点が離れているので、選手がオフィスに顔を出すことはなかなかありません。ただプロクラブを運営していく上では、フロントスタッフと選手たちのコミュニケーションは本当に大事だと常々感じていました。(今回の移転で)選手たちがカフェに食事に来て、スタッフとコミュニケーションを取ることができれば、新しいプロモーションやアイデアが浮かぶかもしれない」と期待した。

ミーティングエリアはラグビーグラウンド風のデスクが置かれ、床を芝をイメージした緑色にするなど、ラグビーチームらしいデザインに(撮影:BBM)
貸しビル「SORA」のオーナー、なゆた保険工房の紹介がきっかけだった。左の空きスペースにテラス席を設置予定(撮影:BBM)
休日には多くの利用者でにぎわう今之浦公園。今年の3月に整備が完了、広大な敷地で屋根つきの芝生広場もある(撮影:BBM)

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