早大に刺さった八尋祥吾、青学大で「歴史を変えた」と言い続けたい。

どよめきを起こした。
9月10日、東京・駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場。関東大学ラグビー対抗戦Aの初戦で、青山学院大1年の八尋祥吾が相手を押し返す。倒し切る。
0-7とわずかにビハインドを背負っていた前半27分頃。ハーフ線付近左の相手ボールラインアウトからパスがつながると、中央で捕球した走者に刺さる。近くにいた味方がボールを奪ったことで、攻守逆転が決まった。
黒地に蛍光色の黄色で「7」。身長168センチ、体重85キロと小柄なFLは、試合を通じて低いタックルを重ねた。
「得意のディフェンスに関しては、通用しないことはなかったかなと。ゲームに勝っていないなかでも、好感触はありました」
チームは昨季の対抗戦で8チーム中7位も、この日は常に上位を争う早大に対して3-7と僅差でハーフタイムを迎えた。ただし最後は、反則がかさんで8-38で敗れる。
何より八尋自身も、後半25分に「危険なタックル」による一時退場を命じられた。
試合を通し、接点で笛が鳴るたびにレフリーとよく対話していたように映ったが、当該の場面では低く飛び込んだ瞬間に相手を持ち上げたと見なされたか。
処分が明けた10分後、そのまま交代した。
そのため本人は、反省も忘れない。
「自分自身、反則を多く犯してしまってピッチに居続けられなかったのは痛かった。そこは反省して、次も強みを活かして貢献したいです」
出身の東福岡高は、全国有数の名門で鳴らす。昨季は多くのタレントを擁し、春の選抜大会を制覇。当時の主力だったSOの楢本幹志朗、FLの茨木颯は今季、すでに対抗戦の筑波大で1軍入りしている。
かようにタレント集団と謳われた前年度の東福岡高にあって、八尋は主将を担った。献身的な防御、まじめな人柄が買われた。
そして今季からは、昔の仲間や強力なライバルの多いチームへ挑む立場となった。高校時代には味わえない感慨を持っているのではないか。そう問われれば、勇ましく応じた。
「自分は東福岡という強豪と言われているところからの出身で、対抗戦のなかでもチャレンジとされる側の青学大に。(ここからは)1勝ごとに『歴史を変えた』という言葉がついてくるので、それを起こせるようにと思っています」
17日には神奈川・秋葉台公園球技場で、昨季の対抗戦と大学選手権を制した帝京大にぶつかる。