国内 2022.09.11

29年ぶり関東大学リーグ戦1部復帰の東洋大がビッグパフォーマンス。昨季優勝・東海大に勝つ

[ 編集部 ]
29年ぶり関東大学リーグ戦1部復帰の東洋大がビッグパフォーマンス。昨季優勝・東海大に勝つ
東洋大は後半36分、ボンド洋平が逆転トライを奪った。(撮影/松本かおり)



 前半5分の先制トライは、ラインアウトでのロングスローを直接受けたWTBモリース・マークスが巧みなランニングコースを走り、インゴールに入った。

 昨季リーグ戦王者の東海大相手に前半を10-7とリードして終え、後半に入って2度逆転された。
 それでも戦う姿勢は少しも乱れず、後半36分に全員が動き続けて逆転トライ。途中出場のボンド洋平がインゴールに飛び込んだ。

 東洋大が大きな勝利を手にした。
 9月11日、秩父宮ラグビー場でおこなわれた東海大戦の結果は27-24。接戦を制した。
 昨季は関東大学リーグ戦2部が戦いのステージ。そこで優勝し、入替戦でも勝利。29年ぶりの1部復帰戦で、1992年度シーズン以来の1部での勝利をつかんだ。

 前半2つ、後半3つ。計5トライを奪っての勝利は、ディフェンスと心の強さに支えられていた。
 東海大のCTB伊藤峻祐主将、FLレキマ・ナサミラは、「相手のパフォーマンスにプレッシャーを受け、思うようにプレーができなかった」と口を揃えた。

 ハードワーカーでキャプテンのLO齋藤良明慈縁(さいとう・らみんじえん)は、タックルとラインアウトで東海大にプレッシャーをかけ続けた。
 敗者は特にラインアウトを乱され、リズムに乗れなかった。

 勝者には個性ある選手が並んでいた。
 信頼の厚いSO土橋郁矢のゲームメイクは安定し、CTB繁松秀太は攻守で前へ。WTB杉本海斗のスピードとステップは相手を惑わし、留学生たちのパンチあるプレーはチームに勢いを与えた。

 211センチのLOジュアン・ウーストハイゼンの存在も、相手スローワーにとって脅威となったはずだ。
 SH神田悠作がバッキングでピンチを防いだシーンも印象に残った。

 齋藤主将は試合後、「感謝の気持ちでいっぱいです。素晴らしい舞台、素晴らしい環境で、素晴らしい対戦相手に、自分たちの力を発揮できた。シーズンを通して、もっともっと強くなっていきます」と話した。

 後半2つめのトライを許して差を広げられそうになった時、キャプテンはハドルを組んで、「自分たちはまだ何も成し遂げていない。チャレンジする精神がなくてどうするんだ」と仲間に話した。

 記者会見で「そこから、また勢いを取り戻せてよかった」と話した齋藤主将の横に座ったウーストハイゼンは、「キャプテンの声を聞くとみんな落ち着く」と明かした。
 福永昇三監督は、ふたりを見つめて終始笑顔。ジャイアントキリングの嬉しさを噛み締めていた。


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