舞台はあのイーデンパーク。2人の日本人高校生がオークランド高校大会決勝へ
8月といえば日本では夏合宿のシーズンだが、南半球のラグビー王国ニュージーランドの季節は冬で、高校ラグビーのクライマックスの時期にあたる。各地で地区リーグの上位校によるプレーオフトーナメントが佳境を迎える中、国内随一の強豪地区であるオークランドでは、8月20日にファーストグレードのリーグ戦上位4校によるセミファイナルが行われた。
この晴れ舞台に、2人の日本人プレーヤーがセントピーターズカレッジの一員として出場した。ニュージーランド生まれのSO岸本類と、中部大春日丘の2年生で同校に留学中のLO福田大和だ。
岸本の父、泰さんは愛知県出身で、ニュージーランドの大学に留学し、現地のクラブチームでプレーした経験を持つラグビーマン。日本企業やニュージーランドの会社に勤めたのち、2013年にニュージーランドでラグビー留学の会社を立ち上げた。現地でコーチングにも携わっており、オークランドU 13代表チームの監督やセントピーターズの中学部のコーチなども歴任している。
オークランドで生まれた長男の類は、岸本さんが立ち上げた現地在住の日本人のジュニアラグビーチーム「タカプナサムライズ」で競技を始め、セントピーターズに進学した。今季、高校1年にしてSOでファーストグレードのレギュラーの座をつかみ、オークランドのU16代表にも選ばれている。
一方の福田大和は187センチ、90キロの大型FW。中部大春日丘で1年時からレギュラーとして花園に出場し、今季2年生ながら高校日本代表候補に選出された。今年から始まった中部大春日丘の留学制度の第1号としてこの春ニュージーランドに渡り、10月まで約5か月間を過ごす予定だ。
2人が在籍するセントピーターズはこれまで3回の全国優勝を誇る国内有数の強豪校。多くの代表選手も輩出しており、2022シーズンにトヨタヴェルブリッツでプレーしたLOパトリック・トゥイプロトゥも同校のOBだ。今季はオークランドリーグのトップカテゴリーで11戦全勝のグループ首位通過を果たし、プレーオフ準決勝にコマを進めた。
その準決勝では、リーグ戦4位のデラセラカレッジと対戦。一進一退の接戦を26-20で制し、決勝進出を決めた。試合には岸本がSOとして先発、福田もリザーブから途中出場し、チームの勝利に貢献した。
なお決勝は8月27日にニュージーランドラグビーの聖地・イーデンパークで行われ(現地時間PM3:05キックオフ)、ゲームは国内全土で生放送される予定だ。相手はこちらも国内有数の強豪、ケルストンボーイズ高校。5月21日のリーグ戦では、セントピーターズが23-3で勝利を収めている。
決勝の勝者は、全国トップ8によって争われる国内選手権への出場権を手にする。朗報を期待しよう。