国内 2022.07.08

【トップイースト春季交流戦】ヤクルト、横河武蔵野に圧勝。セコム、11年ぶりに東京ガス破る。

[ 山形美弥子 ]
【トップイースト春季交流戦】ヤクルト、横河武蔵野に圧勝。セコム、11年ぶりに東京ガス破る。
好走で2トライを挙げ、勝利を引き寄せたヤクルトWTB沢村舜が横河武蔵野の自信を削り取る。(撮影/土居政則)
横河武蔵野LO酒井亮八は37歳。ヤクルトWTB沢村は石川県立鶴来高校の後輩だ。(撮影/山形美弥子)
ヤクルトLO小川正志は驚異のフィジカルと得点に直結するアシストで常にその存在感を発揮。(撮影/土居政則)
横河武蔵野のルーキーPR山本渓太は、國學院久我山同期、ヤクルトLO臼田湧人とのピッチ上の再会を喜んだ。(撮影/山形美弥子)
前半3本目のトライを取り切ったヤクルトFLヤヌ・ベンター。(撮影/土居政則)



 7月3日、ジャパンラグビートップイーストリーグ2022春季交流戦トーナメント準決勝がおこなわれた。
 ヤクルトレビンズは横河武蔵野アトラスターズに47-17で圧勝し、セコムラガッツは31-29で東京ガスに競り勝った。

 次週7月10日、決勝:ヤクルト×セコム(ヤクルト戸田グラウンド)、3・4位決定戦:東京ガス×横河武蔵野(東京ガスグラウンド)がおこなわれる。
 いずれも有観客試合を予定している。

 ヤクルト×横河武蔵野の舞台となった横河武蔵野グラウンドでは、序盤からヤクルトが早いテンポの連続攻撃で主導権を握った。
 前半6分、先制トライを挙げ、好走で勝利を引き寄せたWTB沢村舜は晴れやかに語る。

「WTBとして久し振りに出場しました。外のスペースを走り切ってトライを獲って、今日の自分としての大きな目標をクリアすることができました。チームとしても、暑い中みんなやるべきことをやって、取るべきところでトライを獲れたので、練習してきたことが全部出せたと思います」

 昨季王者としての誇りを持って戦っている。
 そんな戦い振りだった。

 横河武蔵野CTB木元慎也は、「完敗です。アトラスターズがやりたかったラグビーが全然できなかった。ヤクルトさんのやりたいラグビーが、まんまとはまったなというイメージです。(ヤクルトの)BKとFWが一体となったアタックが本当に素晴らしかった。勉強させてもらいました」と素直に負けを認めた。

 16分、ヤクルトは相手陣内22メートルライン付近のラインアウトからボールを動かし、WTB堀川太一が抜けてリードを拡大。FB大城海のゴールも決まり12-0とした。
 21分、横河武蔵野はSO村上晴太がPGを成功させ12-3とする。

 続く34分、ヤクルト陣内22メートルライン上のスクラムからフェーズを重ね、NO8ジェイデン・トア・マックスウェルが突破。SO村上のゴールキックも成功し2点差(12-10)に迫る。

 しかし流れは変わらず、37分、WTB沢村がビッグゲインでチャンスを作ると、サポートしたFLヤヌ・ベンターがパワーでゴールラインを割った。コンバージョンも成功し、19-10とした。

 43分、WTB沢村が40メートルを駆け上がると、横河武蔵野ディフェンスは追いつけず得点を許す。
 ゴールはFB大城が確実に蹴り、26-10で前半を終えた。

 後半3分、ヤクルトがラインアウトモールで押し込み、HO下澤正浩がフィニッシュ。FB大城のコンバージョンも決まり、33-10とリードを広げる。

 12分、横河武蔵野LO酒井亮八が相手ゴール手前のラックからピックアンドゴーで左中間にねじ込んだ。SO衣川翔大のゴールも決まり33-17とする。

 19分、ヤクルトは再びラインアウトモールで押し込み、HO下澤が締めた。FB大城のコンバージョン成功で40-17と引き離した。

 インジャリータイムに入り、横河武蔵野がボールを支配し攻め込むも、反撃はそこまでだった。

 激しいタックルに遭い、弾いたボールを相手ゴール10メートル手前付近でWTB沢村に奪われ、WTB土井將聖が約60メートルを独走。中央を突き抜け、横河武蔵野の挑戦を締めくくる。
 ゴールキックもクロスバーを越え、47-17の圧勝となった。

 この試合では両チームの2022年度ルーキーが公式戦デビューを果たした。
 横河武蔵野の皆川祥汰は、本来CTBだがWTBとして出場。試合前、「そこまでWTB経験があるわけではないのですが、チームの戦術的にはWTBの方がフィットしているのかな、と。練習をしていく中で感じていました」と話していた。
 試合後は、「今日は自分の強みが出せず、反省点ばかり残る試合となりました」と肩を落とした。

 ヤクルトLO臼田湧人は明大出身。182センチ、91キロの23歳は、「試合に出られて嬉しいです。まだチームのことを理解できているわけではないのですが、そこはエナジーでカバーして、後発メンバーとしてチームを鼓舞しようと意識しました。最低限の仕事はできたかなと思います」。
 優勝に向けチームの起爆剤となれるか、プレーぶりが注目される。 

 横河武蔵野のルーキーPR山本渓太とは國學院久我山の元チームメイト。
「(横河武蔵野には)同期の山本のほかに先輩もいっぱいいます。一緒にプレーした仲間と試合できるというのは凄く嬉しいです」と満面の笑みで語った。

※試合の動画は、横河武蔵野アトラスターズの公式YouTubeチャンネルでご確認ください。


横河武蔵野SO村上晴太は仙台育英/東洋大を経て2018年加入。(撮影/山形美弥子)
ヤクルトFB土井將聖は約60㍍を独走。インゴールど真ん中にジャンピングトライを決め、鮮やかにとどめを刺した。(撮影/土居政則)

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