日本代表 2022.07.07

5万人の国立競技場で欧州王者に挑む。堀江と齋藤が戦列復帰、田村ベンチ入り、辻はデビューへ

[ 編集部 ]
5万人の国立競技場で欧州王者に挑む。堀江と齋藤が戦列復帰、田村ベンチ入り、辻はデビューへ
コンディションも良くなり、フランス戦へ向けて闘志を燃やす堀江翔太(撮影:松本かおり)


 2022年夏シーズンのラストゲームとして、7月9日に国立競技場でフランス代表に挑む日本代表の試合登録メンバーが発表された。
 欧州王者であるフランス代表には先週末の第1戦で23-42と敗れたが、そのときのメンバーから先発は3人替わった。

 負傷で離脱したLOヴィンピー・ファンデルヴァルトに替わり、第1戦はベンチスタートだった20歳のワーナー・ディアンズが4番をつける。FW2列はもうひとりも経験を必要とする選手で、6月25日のウルグアイ戦で日本代表デビューを果たしたサナイラ・ワクァにチャンスが与えられた。

 7月2日のフランス戦(第1戦)でLOとして先発していたジャック・コーネルセンはNO8に移動し、同試合で8番をつけていたテビタ・タタフはリザーブで出番を待つ。

 日本代表のジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチは、ベンチ入りさせるニューフェイスの辻雄康を含め、未来へ向けLOをしっかり育成する必要があると語る。ディアンズとワクァは2人とも身長2メートル超で、セットピースが強いフランス代表相手に対し、「ラインアウトの高さをもつことで相手にしっかりプレッシャーをかけていきたい」と言う。タタフについては、第1戦でのパフォーマンスを評価し、第2戦では後半のインパクトプレーヤーとして期待する。

6月25日のウルグアイ戦でも元気よく日本代表を引っ張った齋藤直人(撮影:松本かおり)

 バックスでは、新型コロナウイルス感染症の影響で一時離脱していたSH齋藤直人が3日に再合流し、フランス代表との最終戦に間に合って国立競技場では9番をつけることになった。ジョセフ ヘッドコーチは齋藤について、「(フランスとの第1戦で先発したSH茂野)海人とは違うものを持っている選手」と期待し、2試合連続で10番をつけるSO李承信との若いハーフ団となる。
 李について指揮官は「彼はまだ21歳で、今後もしっかり育成していく必要がある。ポテンシャルがあり、経験を与えて早くいい選手になってもらいたい」とコメントし、特に前半、チームをいかに引っ張っていくかが注目となる。

大勝負で経験を必要とされた田村優(撮影:松本かおり)

 リザーブには経験豊かなSO田村優が名を連ね、後半の司令塔として期待される。6月はナショナル・デベロップメント・スコッドで活動していた田村は、SO山沢拓也がコロナの影響で日本代表スコッドから離脱したこともあり、追加招集され3日に合流していた。
「田村は経験のあるシニア選手。後半、チームに対してしっかりいい刺激を与えてくれると思う」(ジョセフ ヘッドコーチ)

 ベンチにはもうひとり頼もしい選手が戻り、コロナの検査で陽性反応を示し一時隔離されていたHO堀江翔太が戦列に復帰する。「翔太は常に一貫性をもったプレーをしてくれる。リーダーシップも経験もある選手」と評する指揮官。「体調も良くなってチームに戻ってきて、彼自身すごくやる気がある。試合をしたくて仕方がない気持ちでいっぱいだと思う。彼のパフォーマンスを見るのも楽しみにしている」

 そして、6月11日にエマージング ブロッサムズの一員としてトンガサムライフィフティーンと戦ったあと、日本代表の合宿に参加していた26歳のLO辻もベンチ入りし、欧州王者とのビッグゲームで日本代表デビューとなりそうだ。

辻雄康(写真中央)はフィジカルファイトでも期待される(撮影:松本かおり)

 ラグビー日本代表にとって8年ぶりとなる国立競技場での試合のチケットは、すでに5万枚以上が売れているという。
 ジョセフ ヘッドコーチは、強豪のフランス代表から初勝利をつかむためには、いいスタートをして80分間のハードワークを求める。
「第1戦は自分たちのコントロールを失った部分があった。自分たちがやらなければいけないことを変えずに、しっかりとスマートにラグビーをしていく必要がある。勢いをつくることができれば、自分たちのいいラグビーができると思うし、そうでないときは、しっかりコントロールしていくことが重要だと思っている。バランスも大事。5万人の観客の前で試合をできるのは、選手たちも非常にエキサイティングな気持ちだと思う。私も楽しみだ」

▼日本代表 試合登録メンバー(vs フランス代表・第2戦)
※ 画像をクリックするとPDFで大きく表示できます。

<日本代表 2022年7月9日 試合登録メンバー>
1.稲垣 啓太(埼玉パナソニックワイルドナイツ/41 caps)
2.坂手 淳史(主将/埼玉パナソニックワイルドナイツ/29 caps)
3.ヴァル アサエリ愛(埼玉パナソニックワイルドナイツ/22 caps)
4.ワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京/3 caps)
5.サナイラ・ワクァ(花園近鉄ライナーズ/1 cap)
6.リーチ マイケル(東芝ブレイブルーパス東京/74 caps)
7.ベン・ガンター(埼玉パナソニックワイルドナイツ/4 caps)
8.ジャック・コーネルセン(埼玉パナソニックワイルドナイツ/8 caps)
9.齋藤 直人(東京サントリーサンゴリアス/7 caps)
10.李 承信(コベルコ神戸スティーラーズ/2 caps)
11.シオサイア・フィフィタ(花園近鉄ライナーズ/8 caps)
12.中野 将伍(東京サントリーサンゴリアス/4 caps)
13.ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ/6 caps)
14.ゲラード・ファンデンヒーファー(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/2 caps)
15.山中 亮平(コベルコ神戸スティーラーズ/23 caps)

〔リザーブ〕
16.堀江 翔太(埼玉パナソニックワイルドナイツ/67 caps)
17.森川 由起乙(東京サントリーサンゴリアス/1 cap)
18.木津 悠輔(トヨタヴェルブリッツ/4 caps)
19.辻 雄康(東京サントリーサンゴリアス/―)
20.テビタ・タタフ(東京サントリーサンゴリアス/11 caps)
21.茂野 海人(トヨタヴェルブリッツ/15 caps)
22.田村 優(横浜キヤノンイーグルス/69 caps)
23.シェーン・ゲイツ(NTT コミュニケーションズシャイニンズアークス東京ベイ浦安/3 caps)

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