日本代表入りを目指す男たちと、トンガの誇り高き勇者たち。それぞれの思いを胸に熱闘。
だが、勝利を引き寄せたのはエマージング ブロッサムズで、74分、トンガ出身のNO8テビタ・タタフが22メートルラインから力強いボールキャリーでタックルされても倒れず、トライを奪い返して点差を広げた。
最後まで全力でプレーしたトンガサムライフィフティーンは、試合終了間際にゴールに迫ったものの、エマージング ブロッサムズが守り切り、ノーサイドとなった。
トンガサムライフィフティーンのキャプテンを務めたバツベイ シオネは試合後、日本語で「日本のみなさん、1月(の被災)からずっとトンガのサポートをしていただいて本当に感謝しています。今日、応援しに来ていただいて本当にありがとうございました」とコメントすると、会場から大きな拍手が送られた。そして、シーズンを終えたあと、このイベントのために日本に残って試合の準備をしてくれた選手たちを誇りに思うと語り、同志たちにも感謝を述べた。
そして、かつて日本代表として活躍したトンガ出身のレジェンドで、この日、トンガサムライフィフティーンの監督を務めたラトゥ ウィリアム 志南利氏は、「選手が集まって練習できたのは3日間だけでしたが、がんばっていたと思います。よくやってくれた。感謝しています。そして、このチャリティーマッチを多くのみなさんが観に来てくれて、嬉しかったです。トンガと日本はラグビーを通じて深い関係がある。この試合が実現できて感謝しています」と感慨深そうに語った。
一方、エマージング ブロッサムズのキャプテンである田村優は、「トンガで被災された方、その家族、ラグビーをしている仲間が苦しんでいるのを見たので、このチームとしても、日本ラグビーとしても大事な一戦だと認識していました」とコメント。そして試合を振り返り、「僕自身もミスをしましたが、ズルズル引きずらず、やってきたことを出せたので、ここからチームを加速させたいです。何より、チームを良くしたいとみんなが思ってやってるので、形に出て嬉しいですし、過程が結果よりも嬉しいです、僕は。また来週試合ができるので楽しみです」と語った。
この日、エマージング ブロッサムズとして戦ったNDSのメンバーは、次週は日本代表としてウルグアイ代表に挑む。