海外 2022.06.11

「やり切った」。仏・クレルモンから日本復帰の松島幸太朗、「価値を高める」。

[ 編集部 ]
「やり切った」。仏・クレルモンから日本復帰の松島幸太朗、「価値を高める」。
「田舎の街での不自由さも成長につながりました」



 契約延長を断った後も、出場試合のコントロール案などを提示され、残留の誘いを受けたという。

 フランス、トップ14のクレルモンで2シーズンプレーしてきた松島幸太朗が契約満了を迎え、次シーズンから活躍の場を日本に移す。
 6月10日、日本の報道陣向けにオンライン会見を開いた。

 チームに惜しまれる中で退団を決めたのは、もともと結んでいた2季の契約について「やり切った」と感じたからだ。

 昨年11月、12月に次期契約についての話し合いがおこなわれた際、自身の歩んできた道を振り返って感じた。
「(結婚して)家族もできました。チームは田舎町にあり、いろいろ不便もある。やり切った気持ちが出て来たので、帰っていいのではないかな、と思いました」

 2020-2021年シーズンは、トップ14、欧州チャンピオンズカップを合わせて27試合に出場。1995分ピッチに立った。
 2021-2022年シーズンは18試合に出場して1333分プレー。
 2年目のシーズン開幕時にピッチに立った時、前年とは違う自分を感じたという。成長の証だった。

 最初のシーズンには10トライをマークも、2シーズン目はトライなし。それは、チーム指揮官の変更による戦術の変化、相手のマークが強まったこと、松島自身が、より確実にトライを奪うためのプレーを選択(パスなど)した結果だ。
「レベルの高い試合や僅差の試合を経験する中で、プレーのオプションが増えた」と感じている。

「フランスのラグビーはフィジカルの強さが前面に出たプレーが多いけど、はやい展開もある。キックも多い。いろんなバリエーションで、プレッシャーをかけてくる。考えてプレーしていないと、それにつぶされます。その中でメンタルも鍛えられました。プレー中に余裕も感じられるようになりました」

 フランスだけでなく、欧州各地の様々なスタイルを持つチームとの対戦を経て判断力が高まった。

 現在はシーズン中に負った肩のケガからの回復途中だ。
「痛みもなくなり、リハビリは順調です。焦る必要はないので、ゆっくり肩周りの筋肉をつけたり、下半身のトレーニングをしています」

 日本代表のジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチとも連絡を取り合い、秋の代表合宿までにはしっかり治してほしいと伝えられている。

 日本ラグビー界に復帰し、リーグワンの舞台で戦うことについて、「自分のパフォーマンスを見に来たいという人たちが増えたらいいし、所属チームで優勝したい。毎試合出たい。自分の価値を高めたい。高いレベルを保っていく」と話した。


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