日本代表 2022.06.06

より強い防御へ。宮崎で合宿中の日本代表がチーム練習始める

[ 編集部 ]
より強い防御へ。宮崎で合宿中の日本代表がチーム練習始める
横と繋がりながら前へ。ディフェンスの確認を繰り返した。(撮影/松本かおり)
ディフェンスセッションをリードした新任のジョン・ミッチェル コーチ。(撮影/松本かおり)
山沢拓也は「自分らしく」と笑顔を見せた。(撮影/松本かおり)



 前日までの激しい雨は止み、時おり強い日差しが照りつけていた。
 6月3日から宮崎で強化合宿をおこなっている日本代表が6月6日、報道陣に練習を公開した。

 この日が、本格的なチーム練習の初日だった。
 新しく加わったジョン・ミッチェル アシスタントコーチが防御練習をリードするなど、ディフェンスの考え方を浸透させることに時間を多く割いた。

 オールブラックスやアメリカ代表のヘッドコーチ(以下、HC)を務めた経験があり、イングランド代表の防御コーチ、南アフリカの強豪クラブも指導したことがあるミッチェル コーチ。
 その指導を選手たちは前向きに受け入れていた。

 久しぶりに代表活動に参加したHO堀江翔太が「いい方向にいきそう」と話せば、SH流大とともに共同主将を務めるHO坂手淳史も、「強いディフェンスができるのではないか、とワクワクしています」と言った。

「前に出ながら、しっかりコネクションして、相手を仕留める。前からやっていることですが、ディテールが少しずつ変わっていくと思います」(坂手主将)
 アタック担当のトニー・ブラウン コーチは、まだ合流していない。ディフェンス面の整備が先に進みそうだ。

 ジェイミー・ジョセフHCは、リーグワンでの戦いを終えた後、休む時間もあまりなく代表活動に参加した選手たちについて、そのどん欲さを評価した。

「選手たちはやる気に満ちていて、ハングリーさを感じました。特に若手や新しく選出された選手たちは、コーチたちにアピールするため、ハードさを前面に出しています」

 選手たちへ、自分たちがファンや周囲からどう見られないといけないか。ワールドカップへ向けてどういうチームであるべきか。
 話し合い、築き上げていこうと伝えたという。

 宮崎合宿に参加している日本代表と並行し、別府ではナショナル・デベロップメント・スコッド(以下、NDS)の選手たちも強化合宿に臨んでいる。
 NDSの選手たちは、6月11日に予定されているチャリティーマッチ、トンガ・サムライXV戦を戦うエマージング・ブロッサムズの中核を成し、6月18日と25日に予定されているウルグアイ代表戦の初戦でもプレーすることが予定されている。

 ジョセフHCは、2つのグループで活動する日本代表スコッドと今後のスケジュールを睨み、「テストマッチは、どの試合も勝たないといけない」という前提を話した上で言葉を続けた。

「(代表とNDSを並行して稼働させている)自分たちの形はユニークです。層を厚くするためには、選手たちを試合で起用していくしかありません」

 リーグワンのシーズンを終え、ケガで今回の活動から外れている選手たちもいる。
「そういった選手たち(のポジション、戦力)をカバーしていかないといけない。そのためにも、トンガ・サムライXV戦やウルグアイとの1試合目で犠牲を払ってでもNDSの選手たちで戦います。良いプレーをした選手たちに代表へ加わってもらいたい」

 宮崎と別府では過酷な競争が繰り広げられそうだ。
 ウルグアイとの第2テストマッチ、7月2日、9日のフランス戦で誰がサクラのジャージーを着るのか。
 2023年ワールドカップを戦うチームの輪郭が見えてくるだろう。


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