海外 2022.05.29

フランスのラ・ロシェルが初の欧州制覇! “粘守”レンスターから土壇場逆転トライで歓喜

[ 編集部 ]
フランスのラ・ロシェルが初の欧州制覇! “粘守”レンスターから土壇場逆転トライで歓喜
ヨーロッパ王者となったラ・ロシェル(Photo: Getty Images)


 1898年に創部したフランスのラ・ロシェルが、初めてヨーロッパの頂点に立った。
 ヨーロッパクラブラグビーの2021-2022シーズン王者を決める「ハイネケン・チャンピオンズカップ」の決勝が、現地時間5月28日、マルセイユ(フランス)のスタッド・ヴェロドロームでおこなわれ、2季連続決勝進出となったラ・ロシェルは4季ぶりの王座奪還を目指したレンスター(アイルランド)と対戦し、試合終了間際の逆転トライで24-21と激闘を制し、悲願の初優勝を遂げた。

 序盤にペナルティゴール(PG)で得点を重ねたレンスターに対し、ラ・ロシェルは前半9分、ガーナ出身で元南アフリカ代表のWTBレイモンド・ルールが左外から鋭く内に切り込んでディフェンスを破り、最初のトライを決めた。SOイハイア・ウェストのコンバージョン成功で逆転する。

 しかし、過去4度の優勝を誇るレンスターは経験豊富な選手も多く、再びリードすると、粘り強いディフェンスを続けて大崩れすることはなく、アイルランド代表の司令塔でもある36歳のジョニー・セクストンが着実にPGで得点を重ね、8点差をつけた。

 それでも、ラ・ロシェルは食らいつき、60分(後半20分)、敵陣深くでしぶとく相手にプレッシャーをかけてペナルティを得、ラインアウトへと移り、モールで押し込みトライ。コンバージョンも決まり17-18と1点差に詰めた。

ドライビングモールでトライを挙げ、喜ぶラ・ロシェルのグレゴリー・アルドリット(Photo: Getty Images)

 その後、不正なプレーをした選手にイエローカードが提示されてラ・ロシェルは1人少なくなり、相手にPGを許して4点差とされたが、残り時間、勝利への執念を燃やす。69分から敵陣深くに入り、猛攻を繰り返した。
 対するレンスターは、ゴールラインを背にして何度もペナルティを犯したが、10分近く耐えた。

 しかし、シンビンの選手も戻っていたラ・ロシェルは土壇場の78分、またもゴール前でアドバンテージをもらって攻め続け、SHアルチュール・レティエが間隙を突いてゴールライン上にボールを押さえ、逆転のトライが認められた。そして、コンバージョンが決まった直後に試合終了の笛が鳴り、ラ・ロシェルが劇的勝利で歓喜となった。

 なお、前日におこなわれた下部大会「EPCRチャレンジカップ」の決勝は、フランス勢対決となり、リヨンがトゥーロンを30-12で下し、こちらも初のヨーロッパタイトル獲得となった。

チャレンジカップを制したリヨン(Photo: Getty Images)

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