国内
2022.05.28
階段ひとつ、のぼる。170センチのプロップが伝達するもの。間藤郁也[清水建設江東ブルーシャークス]
「同じフィールドにいても、厳しさが違うと思った、試合にも全然出られてませんでした」
170センチ、98キロのプロップが振り返るのはリーグワンの舞台でも入れ替え戦で D2チームと戦った感触でもない。新潟・新発田農業高校から進んだ山梨学院大学時代の思いだ。当時はCTBでプレーしていた。
「高校では花園も出たことないし、弱小校で…」
命運を変えたのはPRへの転向だった。間藤郁也(まとう・ふみや)はブルーシャークスできょう、1番を背負ってリーグワン2部昇格をかけた今季最終戦に出場する。
2017年加入の社会人6年目。昨季までは1シーズン2試合か3試合ずつ先発を重ねてきた。今季は開催された12試合中11試合に出場。先発は9試合に上り、ルーズヘッドPRの正位置を張る。試合中は走り回ってさまざまな役割をこなす。接近しながらのパススキルにはCTB時代の経験も生きている。このワークレート、試合に出続けるタフネスではリーグワンでも屈指の存在だ。
ポジション変更のきっかけはひょんなことだった。大学2年の菅平合宿。食事で目の前に座ったコーチが、170センチの間藤に声をかけた。
「お前、食えるね」
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