国内 2022.05.16

今週末の準決勝は、一筋縄ではいかない。ともに「連戦」の好カードは、メンタルの流れがカギ握る

[ 編集部 ]
今週末の準決勝は、一筋縄ではいかない。ともに「連戦」の好カードは、メンタルの流れがカギ握る
左から東京SG中村亮土、BL東京 小川高廣、埼玉WK・坂手淳史、S船橋・東京ベイ立川理道(©︎JRLO)

「東芝にやられて、バッチリ目が覚めたから」(東京サントリーサンゴリアス 中村亮土選手)

「体を当てて、激しさで崩していく」(東芝ブレイブルーパス東京 小川高廣)

「強みはディフェンス。ボールを奪ってトライを取り切るラグビーは変わらない」(埼玉パナソニックワイルドナイツ 坂手淳史)

「初代王者になることを目標にやってきた。準決勝に勝たないとそれは叶わない」(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ 立川理道)

 4人のキャプテンの言葉には、穏やかな中にも強い意志や闘志が伺えた。

 5月16日、東京・丸ビルにてリーグワン プレーオフトーナメント メディアカンファレンスが行なわれ、4日後に迫った準決勝を控えたトップ4のキャプテンが一堂に会した。

 4主将のトークでは、今年新たにスタートしたリーグワンの初代王者に向かう各チームの積み重ねがうかがえた。サンゴリアス、ワイルドナイツ、スピアーズにブレイブルーパス。それぞれに歴史があり、まとった個性があった。

 リーグ戦3位のスピアーズは昨年来、チームとファンのコミュニケーションが最も密なクラブの一つだ。リーグワンとして各チームが興行権を持って試合を盛り上げる中で、スピアーズはファンも含め、チームとそれを支える人々を丸ごとオレンジーアーミーと呼ぶようになった。立川主将は江戸川のまだ小さなスタジアムで満身にその熱を感じている。「江戸川陸上にもたくさんの人が集まって、オレンジにスタンドを染めてくれている」

 秩父宮でスピアーズと戦うのは、昨年トップリーグ王者のワイルドナイツ。今季リーグ戦を2位でゴールしたワイルドナイツは、序盤2試合を感染症の影響で失い、2敗扱いからのスタートだった。遅れを巻き返し破竹の勢いでリーグ戦を抜けてきた。リードされても、最後は必ずひっくり返すしぶとさ、勝負強さは真似のできない強み。「神戸戦(4節・41-37)、ブルーレヴズ戦(11節・26-25)は特に自信になった」(坂手主将)

 リーグ戦1位のサンゴリアスは、今季3試合が中止になった。しかし、チームはこの偶発的な「間」を、うまくチームの熟成に役立ててきたようだ。「コンディションを整えながら、自分達を見つめ直して、らしさを磨いてきた。結果、瞬間瞬間の判断で同じ絵を見られるようになっている。これからの戦いに生きてくる部分だと思います」(中村主将)

 リーグ終盤のデッドヒートの中で4位に食い込んだのがブレイブルーパスだ。「シーズン当初は波があったけれど、やりたいラグビーが後半に向けてできるようになってきた」(小川共同主将)。「クボタさんにぼこぼこにやられた後(10節・28-43)、スイッチが入って神戸に勝てた経験(11節・46-35)は大きかった」。リーグの経験、一つひとつの勝利がチームの成長・成熟を後押ししてきた。

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