日本代表 2022.05.01

南早紀主将の誓い。サクラフィフティーン、本日(5月1日)フィジー代表戦

[ 編集部 ]
南早紀主将の誓い。サクラフィフティーン、本日(5月1日)フィジー代表戦
3月におこなわれた静岡合宿時の南早紀主将。(撮影/松本かおり)



 ワールドカップ(以下、W杯)まで約5か月。その祭典で世界を驚かせるには、ここから上昇し続けるしかない。
 5月1日、女子日本代表、サクラフィフティーンがフィジー代表と戦う(日本時間14時キックオフ)。昨秋おこなわれた欧州遠征以来のテストマッチだ。

 その試合に挑む23人のメンバーは4月29日に発表された。背番号1、PR南早紀が主将としてチームを牽引する。

 サクラフィフティーンは4月18日に日本を発ち、オーストラリアへ。試合がおこなわれるゴールドコーストで準備してきた。

 直前合宿なしで南半球へ向かった同代表。長旅の疲れは数日で抜けた。南主将は、「自分たちの強みをプレーに活かしたい。相手より高いワークレートで戦う」と話す。

 フィジー代表は、『スーパーW』(豪州版女子スーパーラグビー)で優勝したフィジアナ・ドゥルアのメンバーも含む。
 ぐんぐんと力を高めているチームだ。

 南主将も、「個々が強く、そこを使って勝負してくる。スーパーWの最中も試合ごとに進化し、テストマッチの頃にはさらに強くなっているはず。得意なオフロードパスをさせない、ダブルタックルで止めないといけない」と警戒する。

 昨秋の欧州遠征ではウエールズ、スコットランド、アイルランドと戦い、勝利は手にできなかった。それだけに、今回のツアーで戦う3戦(フィジー代表、オーストラリアンバーバリアンズ、オーストラリア代表)を通して「勝ち切るチームになる」と誓う。

 そのために、欧州遠征で露わになった修正点を意識して日々を過ごす。
「コンタクトシチュエーションのクオリティーを高める必要があります。まず、倒し切る。一つひとつのプレーをやり切る。前に出てプレーすることが大事」

 南主将自身、常に自分にベクトルを向けてきた。2017年のW杯に出場した頃を回想し、「人としても選手としても未熟で、周囲が見えていなかった」と話す。

 主将となったのは2019年夏のオーストラリア遠征からだ。
 立場も代わって周囲に目と気を配り、リーダーとして動き、話せるようになった。「いま何を伝えるべきか、どういう言葉を発するべきか分かるようになってきました」と自己分析する。

 フィジー代表戦に向けてコンディションを整えるチームメートに目を向け、WTBとして先発する松田凜日の好調ぶりを伝える。
「いいランニングをしています。ラグビーが上手」と期待を込める。

 2017年W杯時のサクラフィフティーンと現代表を比べ、「いまのチームはW杯を経験してきた選手も多くいます。若い選手たちには、(以前より)小さい頃からラグビーをしてきたキャリアの長い選手が増えている」と言う。
 バランスの取れた集団になっている感触がある。

 W杯までに経験できる試合で勝利を重ね、勝ち切る力を持つ集団になる覚悟がある。
「W杯では、これまでなし得なかったことをやりたい」
 サクセスストーリーを、フィジー戦から始めたい。

◆フィジー代表戦 出場予定メンバー(右端の数字はキャップ数)
①南 早紀(横河武蔵野アルテミ・スターズ)19
②永田虹歩(国際武道大女子ラグビー部)3(当日、公家明日香から変更)
③左高裕佳(弘前サクラオーバルズ)6
④玉井希絵(MIE PEARLS)7
⑤佐藤優奈(東京山九フェニックス)4
⑥齊藤聖奈(MIE PEARLS)26
⑦長田いろは(アルカス熊谷)10
⑧マテイトンガ・ボギドゥラウマイナダヴェ(MIE PEARLS)11
⑨阿部 恵(アルカス熊谷)5
⑩今釘小町(アルカス熊谷/立正大ラグビー部)4
⑪松田凜日(日体大ラグビー部女子)−
⑫中山潮音(横河武蔵野アルテミ・スターズ)3
⑬古田真菜(ブランビーズ/東京山九フェニックス)9
⑭名倉ひなの(横河武蔵野アルテミ・スターズ)5
⑮平山 愛(自衛隊体育学校PTS)3

⑯小牧日菜多(日体大ラグビー部女子)1
⑰鈴木実沙紀(東京山九フェニックス)25(当日、登録メンバー入り)
⑱ラベマイまこと(ブランビーズ/横河武蔵野アルテミ・スターズ)11
⑲高野眞希(横河武蔵野アルテミ・スターズ)12
⑳永井彩乃(YOKOHAMA TKM)5
㉑津久井萌(横河武蔵野アルテミ・スターズ)16
㉒大塚朱紗(RKUグレース)4
㉓伊藤優希(MIE PEARLS)8

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