国内 2022.05.01

横浜キヤノン、初の4強入りならずプレーオフ争い脱落。田村優「トップ4はまだ早い」

[ 編集部 ]
横浜キヤノン、初の4強入りならずプレーオフ争い脱落。田村優「トップ4はまだ早い」
今季の好調を支えていたNO8アマナキ・レレイ・マフィ(撮影:平本芳臣)

 横浜キヤノンイーグルスは5月1日、リーグワン・ディビジョン1第15節の結果を受け、最終節を前に上位4チームが出場できるプレーオフ進出を逃した。

 イーグルスはこの日、コベルコ神戸スティーラーズと対戦。スティーラーズ最後のホストゲームとあり、気迫に押されたイーグルスは33-42で敗れた。

 一方、トヨタヴェルブリッツは前日にブラックラムズ東京を大差で破り(64-17)、ボーナスポイント(BP)も獲得。そしてキヤノンの試合後に、東芝ブレイブルーパス東京が首位の東京サンゴリアスを27-3で撃破した(勝ち点5)。

 これらの結果により、勝ち点がブレイブルーパス49、ヴェルブリッツ46、イーグルス41となったことで、イーグルス初の4強入りの可能性が消えた。

 3チームで繰り広げられた4位争いは、ブレイブルーパスとヴェルブリッツの一騎打ちとなる。
 最終節、ヴェルブリッツは5月7日に瑞穂ラグビー場で東京サンゴリアスと戦い、翌日の結果を待つ。ブレイブルーパスは8日、ヤマハスタジアムで静岡ブルーレヴズとぶつかる。
 ヴェルブリッツは勝利が絶対条件。仮にヴェルブリッツが勝利し、ブレイブルーパスがBPを得て敗れるか引き分けて勝ち点が並んだ場合は、勝利数の多いヴェルブリッツがプレーオフに進む。

 イーグルスにとっては、昨季4強のヴェルブリッツやスピアーズを破って力を見せていただけに、スティーラーズ戦は痛恨の敗戦だった。

 沢木敬介監督は試合後の会見で、「残念な結果です。自分たちのラグビーができている時間帯とそうでない時間帯…。クオリティの一貫性が出せなかった。あれだけラインアウトを取れなかったら、どことやっても勝てない。セットピースの安定感でトップ4との差があります」。

 この日は前半20分でHO庭井祐輔、FBエスピー・マレーが立て続けにケガで退くアクシデントもあった。
 指揮官は「パナソニックやサントリーと比べれば選手層に差はあるので、影響は少なからずある」と認めた上で、「出場した選手はいいエフォートは出せていた」と称える。こう続ける。
「ラインアウトに関してもしっかり準備の段階で選手に落とし込めていなかった、われわれコーチングスタッフの責任です」

 スクラムでも劣勢に立たされたイーグルスだったが、SO田村優主将は「セットピースのプレッシャーは想定していた」と話す。

「その分、アンストラクチャーで取れると思っていたけど、トライミスやレフリーとの解釈ミスもありました。うまくいけば勝てた、という気持ちはあるけど…、トップ4はまだ早いですよ、ということなのかなと思います。まだまだそんなに甘くないぞと。勝つだけの実力がなかった」

 沢木監督は会見の間、明るい表情を貫いた。そして自分たちに言い聞かせるように言う。
「まだ試合は残っているので、今日負けたからといって沈んでいる”カッコ悪いチーム”にはなりたくない。次に向けて成長できるゲームをしたい」

 今季の最終ゲームとなるグリーンロケッツ東葛戦は5月8日、昭和電工ドーム大分でおこなわれる。

2季目の沢木敬介監督。昨季はイーグスル最高成績(5位)を残していた(撮影:平本芳臣)

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