その他 2022.04.27

6月にトンガ復興支援チャリティーマッチ開催 エマージングブロッサムズ対トンガサムライXV

[ 編集部 ]
6月にトンガ復興支援チャリティーマッチ開催 エマージングブロッサムズ対トンガサムライXV
TONGA SAMURAI XVの監督を務めるラトゥ ウィリアム志南利氏(撮影:松本かおり)


 日本ラグビー協会は、今年1月15日に発生したトンガ北部に位置する海底火山の大規模な噴火の影響による被災者の救援と被災地域の復興支援を目的としたチャリティーマッチ「EMERGING BLOSSOMS vs TONGA SAMURAI XV」を、6月11日に東京・秩父宮ラグビー場で開催すると発表した。

 このチャリティーマッチは、新型コロナウイルス感染症対策のもと有観客で開催する予定(チケット情報は決定次第、日本ラグビー協会公式サイトで案内)。

 日本ラグビーとトンガラグビーの絆は深く、日本ラグビー協会とジャパンラグビーリーグワンでは今回の災害支援のための募金活動を1月下旬より継続して実施しており、3月末には、合計約2800万円を日本赤十字社へ寄付している。

 本チャリティーマッチに出場するEMERGING BLOSSOMS(エマージング ブロッサムズ)とは、日本代表に選出される可能性のある、高いポテンシャルをもった選手が招集されるNDS(ナショナル・デベロップメント・スコッド)のメンバーを中心に編成される特別チーム。日本代表コーチ陣がその台頭に注目している選手たちが一同に集まることから、EMERGING BLOSSOMSと名付けられ、本試合よりチーム名として使用するという(ワールドラグビーの競技に関する規定における日本のセカンドシニア代表チームは「ジュニア・ジャパン」であり、本チームとは異なる)。

 一方のTONGA SAMURAI XV(トンガサムライ フィフティーン)は、トンガ出身で元ラグビー日本代表選手のノフォムリ・タウモエフォラウ氏が団長を、ラトゥ ウィリアム志南利(しなり)氏が監督を務め、世界トップ選手が数多く所属するジャパンラグビーリーグワンから、トンガ出身またはトンガにルーツを持つ選手たちを選出してチームが編成される。また、スタッフにも歴代のトンガ出身レジェンドたちを配し、トンガと日本がラグビーを通じて築いてきた絆を体現する特別チームとなる。
 チーム名は、海を渡り、日本の文化、武士道精神、そしてトンガの誇りを胸にプレーする選手たちの姿から、団長や監督等が自ら発案して決定。チームロゴも、両国の国旗や刀などを配し、トンガから日本にやってきた「侍」をイメージして、このたび作られた。
 チームメンバーは6月初旬に発表され、ラグビーワールドカップ2019日本大会でトンガ代表が事前キャンプをおこなった高知県にて、本試合に向けて6月6日より合宿をおこなう予定。

■森重隆 日本ラグビー協会会長 コメント 

 本チャリティーマッチ開催に際し、関係者の皆様の温かいご協力とご支援に心より感謝申し上げます。トンガ出身で元日本代表のノフォムリさんとラトゥさんが中心となり、各所にお声掛けいただいたことがきっかけで、このような素晴らしい形での試合を実現できることとなりました。本チャリティーマッチの開催を通じて、ラグビーを通じた日本とトンガ王国の絆をさらに強め、互いの友情を育む機会とできますことを、嬉しく思います。
 また、本試合に出場するEMERGING BLOSSOMS(エマージング ブロッサムズ)の選手たちは、日本代表に選出される可能性のある高いポテンシャルをもった選手たちで、日本代表コーチ陣もその台頭に注目しています。この先日本代表として花開くことを期待し、パワフルなトンガラグビーと熱戦を繰り広げてくれることを、楽しみにしています。
 本試合の開催を通じ、ご来場いただくラグビーファンの皆様と共に、被災された皆様へ支援の気持ちをトンガ王国へお届けできましたら幸いです。 


■ラトゥ ウィリアム志南利 TONGA SAMURAI XV監督 コメント

 1月15日未明にトンガ諸島沖で発生した大規模海底火山の噴火及び津波による被害に対して、日本の皆さんからたくさんの義援金をいただき、誠にありがとうございます。この場を借りて御礼申し上げます。更にこの度、日本ラグビー協会主催でチャリテイーマッチを開催いただくことを、心より感激しています。本当にありがとうございます。
 ラグビーでの日本とトンガ王国の交流は、1980年大東文化大学に留学生として最初に来日したノフォムリさんとホポイさん(ホポイ・タイオネ氏)の2人から始まりました。2人とも国費でのそろばん留学でしたが、ラグビー部にも入部しました。関東大学リーグ戦を通じて日本ラグビー界でも有名になり、卒業後は三洋電機に入社、日本代表にも選ばれ、いつの間にか、そろばんからラグビーに変わってしまいました。次の留学生が1985年、私と一昨年亡くなったナモアさん(ワテソニ・ナモア氏)で、その後は皆さんが知っての通り、現在は高校、大学、社会人で200人近いトンガ出身選手が日本で生活しています。その多くは、日本代表でも活躍しております。
 日本でこのように試合を開催するのは、トンガ王国にとって初めてのことであり、私たちの夢が現実のものとなりました。本試合が、トンガ王国復興のキックオフとなり、日本とトンガ王国の交流がますます深くなることを望みます。どうかこのチャリテイーマッチを楽しんでください!

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