国内 2022.04.28

5・1府中ダービープレビュー(後編)在籍12年。「やっとやり方が分かってきた」とリーチ

[ 編集部 ]
5・1府中ダービープレビュー(後編)在籍12年。「やっとやり方が分かってきた」とリーチ
BL東京のFLリーチ マイケル(左)とOBの廣瀬俊朗さん©TOSHIBA BRAVE LUPUS TOKYO

「ラグビーやってて楽しい」

 34歳を迎えたリーチ マイケルの言葉だ。

「いま金曜日、(楽しみで)寝れない。起きたらすぐに試合したくて」

 それは長年ともにプレーしてきた廣瀬俊朗さんが「マイケルが、こんなに”楽しい楽しい”って言うの、初めてじゃない?」と驚くほど。

「ここにきて12年。やっとやり方がわかった。休んだらダメ。(練習)やりっぱなしのほうがいい」

 これまで長い間、日本代表、東芝の主将を務め、リーダーとして重責を背負ってきた。その荷を下ろし、自身のプレーに集中できることが、充実に繋がっている。

 チームは2019年にトッド・ブラッカダーHCが就任。これまでやってきたことが形になって出始めているという。
「トッドが来て、上がったり下がったりを繰り返しながら少しずつ良くなってきた。あと、キーとなる選手、若手がはまってきた。セタ(タマニバル/CTB)なんて、同じチームでよかったと思うし、ワーナー(ディアンズ/LO)、ジョネ(ナイカブラ/WTB)…。小鍛治(悠太/PR)もボールキャリーが良くなってきた」

 進捗を見せているのがスクラムだ。昨季は最終戦(順位決定戦)でリコー(現ブラックラムズ東京)にスクラムを押され、幕を閉じた。FWコーチを務めていた湯原祐希さんが急逝、さらにフロントローにケガ人が続出するなど、想定外の事態に見舞われたシーズンだった。

 今季、新しくサム・ワード アシスタントFWコーチが就任。現在の好調ぶりは、彼の手腕によるところが大きいとリーチは言う。
「引き出しが多いし、教え方がとても上手」

 LO梶川喬介に次ぐベテラン(PR三上正貴と同期)となったリーチ、府中ダービーの思い出も多い。
「昔はトップリーグが始まる前、夏にこのグラウンド(府中)でやるのが一番きつかった」

 トップリーグが猛暑の中で始まっていた頃、開幕前に両チームが、それぞれのグラウンドでベストメンバーで手合わせをするのが恒例だった。始まりは単なる練習試合だったが、次第にファンも観戦できる夏のイベントとして定着、現在の府中ダービーへと繋がっていった。

「府中には、古くからの東芝ファンがいる。その人たちにいいニュースを届けたい。サントリー(現東京サンゴリアス)はずっと強い。うちは復活してきた。次につながる大きい試合になる」

 あと3日に迫った府中ダービー、ベストコンデイションで臨むリーチの存在は、チームにとって何より心強い。

「チーフスがうちのラグビーをコピーしていると聞きました」(ブラッカダーHC)
 充実のチームを率いる指揮官は就任3期目を迎えた。

「1年目はフィットネスが足りずに苦労しました」と振り返る。2年目まではフィットネスを上げることに集中。
「今年はラグビーに多くの時間を費やせています。システムを理解して実行するには時間がかかる。相手に順応していくことがようやくでき始めた」

 9位、11位、6位、9位…。2015年度にトップリーグで準優勝した後、トップ4争いから遠ざかっていた。その間に、他チームからのリスペクトが薄れたとHCは言う。
「もう一度、リスペクトを取り戻さなくては。今は中位にいますが、上位を倒す力はついていた」

 府中ダービーは「我々は失うものはない。ワクワクしています。シンプルなことがしっかりできれば、結果はついてくる」。

 準備をすべて終え、リーグ首位の東京サンゴリアスにチャレンジャーとして臨む。
 注目の対決は5月1日。キックオフは17時だ。

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