国内 2022.01.01

帝京大の復権目指す2年生リーダー。奥井章仁は「責任感」を示す。

[ 向 風見也 ]
帝京大の復権目指す2年生リーダー。奥井章仁は「責任感」を示す。
大学選手権の準々決勝で同大に勝利後、会見に臨んだ帝京大の奥井章仁(右)。左は志和池豊馬(撮影:向 風見也)


 2年生にしてリーダーの風情だ。帝京大ラグビー部の奥井章仁は、相手エースの名をフルネームで叫び、点差が離れても丁寧にプレーすべきと訴え、防御網を統率した。

「ディフェンスのフォーカスとして『コネクト』というものがありました。横とのつながりを作る。自分が誰をマークしているのか、誰をマークして欲しいのかをしゃべる。そういう部分ができたことは、よかったと思います」

 12月26日、東京は秩父宮ラグビー場である。大学選手権の準々決勝で同大に76-24と快勝。奥井は3トライをマークし、相手のキックへのカバー、肉弾戦、さらに円陣でのトークでも存在感を示した。公式会見で述べる。

「きょうのゲームに関しては、目の前の同大を相手に気を抜かずに戦うことにフォーカスして臨みました。その部分で得点を多く獲れた部分もありましたが、失点(した場面)では課題が大きく見つかったので、修正して次の準決勝に挑みたいと思いました。以上です」

 出身の大阪桐蔭高では1年時から主力を張り、2年目で日本一に輝きラストイヤーは主将を担った。帝京大でも、1年時から多くの試合で正NO8を担った。さらに今季は、リーダーシップをとるよう意識する。

 秋からの関東大学対抗戦Aでも、その資質を活かした。ある試合で、前半を終えてロッカーに引き上げる際にレフリーへ歩み寄ることがあった。いくつかのやり取りをした後、大声で「ありがとうござました!」と謝辞を述べてロッカー室へ戻った。

 チームを引っ張る意識について、こう話したことがある。

「2年生になって変わったことは、責任感です。その理由としては…。1年生の時は思い切って自分のやりたいことをやっていただけなのですが、2年生になったら下級生も入ってくるのでしっかりしなくてはいけない。ですので、責任感ということ(テーマ)を置きました」

 選手権9連覇を果たした2017年度以来、10度目の大学日本一を目指す。

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