【トップイーストA・B入替戦】富士フイルム無念。横河武蔵野がAグループ残留決定。
前半にモールでトライを奪われた横河武蔵野は、「ちゃんとやり返そう」と話していた。「組めば獲れる」という自信もあった。しかし富士フイルムも黙ってはいない。
41分、相手陣内深くのラインアウトでLO大黒駿がボールをキャッチ。モールで押し込みHO矢吹悠斗が押さえて27-25と詰めた。
2点差でインジャリータイムに突入した。
45分、横河武蔵野が決戦のモールを組んだ。
相手陣内5メートルライン上のラインアウトから、栗林宜正と松野泰樹の両LOが軸となりモールを形成。攻防は激しさを増し、引き倒された栗林に代わってCTB小沢翔平(怪我人が続出したため途中からFLとして出場)が支えに入る。
HO崩光瑠がボールをキープしている。巧みに前進するモールの様子から、勝利への意欲を感じ取ることができる。WTB古田泰丈も加勢し、SH春野日向は崩に付き従い、崩が締めた。
背番号4をつけてジャンパーを務めた松野泰樹は、「チームとして『ラインアウトモールを組んだらトライが獲れる』という認識がありました。最初にボールをキャッチする役目の僕がコケたらモールが組めないので、『そこだけは』と思って、ちゃんと立ってモールを形成しようと意識していました。それが実行できたのが一番良かったかなと思います」と入替戦勝利を振り返った。
同志社大学を卒業し2020年度にチームに加入するも、パンデミックの影響を受けたため、松野にとって今季は事実上のデビュー年にあたる。「チームには、このリーグにいるはずのないハイレベルな凄いHOが3人もいて、球筋もみんな上手くて、僕は来たところを取るという感じです」と話す。
来季に向け、「今季リーグ戦に全部先発で出られたのに、入替戦でギリギリなのは残念なので、来シーズンは全部出て優勝できるように頑張りたいと思います」と爽やかに締めくくった。
この日、今季リーグ戦に初先発したWTB佐藤拓磨は、「FWが身体を張ってくれた分、勝ちに繋がりました。素直に嬉しいです」と、ほっとした表情で話す。
しかし、「個人的には、課題しかなかった。僕の一個のキックプレーとか一個のトライでチームを救いたいという思いがあったのに、自分の強みが全然見せられず、達成できなかった。ホッとしている反面、悔しさのほうが大きい」と振り返り、来季の目標は「みんなが安心してボールを預けられるWTBになること」と語った。
出身高校は、10年振りの花園出場で話題を呼んでいる磐城高校。「実は僕が高3のときに負けて以来、花園に出てないんです。負けて凄く悔しかったけど、1・2年で花園を経験したのが今大きな財産になっている」と話し、後輩たちに向けて「気持ちの部分で、緊張とか不安とかいろいろあると思うんですけど、一瞬一瞬を大事にして、ラグビーを続けるか続けないかに関わらず、人生の糧にして欲しい」とエールを送った。
※試合の動画は、横河武蔵野アトラスターズの公式YouTubeチャンネルでご確認ください。