国内 2021.11.10
車いすラグビー国内公式戦が再始動。次世代を担うルーキーが躍動

車いすラグビー国内公式戦が再始動。次世代を担うルーキーが躍動

[ 張 理恵 ]



 新人選手にとっては、チーム内に彼らのお手本となる日本代表経験者がいることも大きい。
 2017年に車いすラグビーの試合を見たことがきっかけで昨年11月から競技を始めた草場龍治(Fukuoka DANDELION)は、自分と同じ障がいがありながら世界の舞台で活躍する乗松聖矢に刺激を受けた。
 チームメートの乗松が東京パラリンピックでプレーする姿に「自分も同じ舞台に立ちたいという思いを持たせてくれた。上を目指したい」と、高い志を胸にトレーニングに励んでいる。

 持ち味のスピードと積極的に仕掛けるディフェンスに「デビュー戦とは思えない活躍で期待しかない。教えていないことでも、状況を自分で判断し打開する力を持っている」と乗松も太鼓判を押す。
 今後の成長が楽しみな選手のひとりだ。

 そして高知大会では、待望の女子選手、森澤知央(Freedom)が公式戦デビューを果たした。
 初トライを挙げるとベンチから温かい拍手が送られ笑顔をのぞかせた。

「女子選手が増えることが目標」だと語っている倉橋はこの知らせに、「本当にうれしい。自分に何ができるとは考えていないが早く会って一緒に楽しみたい」と歓迎した。

 白熱した勝負のなかにも、仲間と試合ができる喜びに笑顔が見られた1年10か月ぶりの公式戦。
 来年2月の日本選手権に向け、優勝争いの行方とともに新戦力の台頭やニューヒーローの誕生に期待が膨らむ予選大会となった。

 車いすラグビーでは11月20日(土)・21日(日)に「2021ジャパンパラ車いすラグビー競技大会」が千葉市の千葉ポートアリーナで開催される。
 日本代表候補選手約30名が出場し、日本の未来を担う育成世代が東京パラリンピック代表組に挑む戦いは必見だ。国内では約2年ぶりに有観客(人数制限あり)で行われる車いすラグビーの大会となる。
 車いすラガーマンたちの迫力あるプレーをぜひ会場で体感してほしい。


◆第23回 車いすラグビー日本選手権大会 予選リーグ結果

【高知大会】10月9日、10日@高知障がい者スポーツセンター
1位 Freedom(高知)
2位 BLITZ(東京)
3位 SILVERBACKS(北海道)

【埼玉大会】10月30日、31日@埼玉県立障害者交流センター
1位 TOKYO SUNS(東京)
2位 AXE(埼玉)
3位 OKINAWA Hurricanes(沖縄)※出場辞退により不戦敗

【東京大会】11月6日、7日@日本財団パラアリーナ
1位 TOHOKU STORMERS(東北)
2位 Fukuoka DANDELION(福岡)
3位 RIZE CHIBA(千葉)




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