国内 2021.10.10
中大42-22流経大。前に出る「スピード」で中大が金星。昨季全国8強の流経大から、今季初勝利を挙げる!

中大42-22流経大。前に出る「スピード」で中大が金星。昨季全国8強の流経大から、今季初勝利を挙げる!

[ 向 風見也 ]

 中大は一昨季まで2シーズン連続で下部との入替戦を強いられ、昨季も開幕5連敗と苦しんでいた。とはいえ就任3年目となる遠藤哲ヘッドコーチのもと、身体能力のみに頼らぬち密なスタイルを涵養。惜敗したゲームにも一定の手応えを掴んでいた。

 留学生を揃える相手をなぎ倒した今度の80分は、現体制下の代表作のひとつとなり得る。次の法大(昨季4位)戦を16日(場所は非公開)に控え、茂原主将は足元を見つめる。

「立ち返るところ。原点。アタックでも、ディフェンスでも、前に出ること」

 敗れた流経大は、HOの西山大樹主将曰く「前、後半を通し、自分たちのダイナミックラグビーができなかった」。近年、上位争いに絡んできたが、今季は開幕2連敗と苦しむ。

 6月上旬からの約2か月間、新型コロナウイルスのクラスター発生により活動停止。ワールドラグビーの推奨する休暇明けのプロトコルに沿って活動し、いまに至る。

 課題はいまのチームでの実戦不足、コンタクトへの耐性だろう。西山主将は「ブレイクダウン(接点)に課題が残りました。コロナにかかってしまって春シーズンができなかった分、頑張ろうとして来ていますが、ゲーム経験のところが足りないかなと」。池英基ヘッドコーチはこうだ。

「中大のスピード、自分たちの弱いコンタクトの部分がうまくいかず、早く展開するダイナミックラグビーができずに終わってしまいました。ワールドラグビーのガイドラインに沿ったところ、コンタクト練習ができなかった。それがいまの課題に現れている。ただ、それを改善すれば自分たちのダイナミックラグビーができる」

 10月16日、改めて本拠地で関東学大(昨季7位)とぶつかる。 

 予定より約2週間遅れて9月26日に始まったリーグ戦。大学選手権へ進める上位3傑争いが激しくなりそうだ。

【筆者プロフィール】向 風見也( むかい ふみや )
1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年よりスポーツライターとなり、主にラグビーに関するリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「スポルティーバ」「スポーツナビ」「ラグビーリパブリック」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)。『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(共著/双葉社)。『サンウルブズの挑戦』(双葉社)。

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