ラグビートップ選手と管理栄養士が語り合う『食育』と『コンディショニング』
「食事+サプリメント」が最強。
——サプリメントの必要性は、いつぐらいから感じ始めましたか。
松井 小学生のときからラグビーをやっていますが、高校生(常翔学園)の頃からサプリメントの重要性について話を聞かせてもらう機会はありました。社会人になってから肉離れなどケガが増え、栄養面から変えないと予防やリカバリーができないと思い、本格的にサプリメントを摂取するようになりました。最初は知識がなかったのですが、いろんな方に相談させてもらい、自分に合っているものが摂取できるようになりました。その結果、肉離れもなくなっていきました。
——法政大学卒業後にバスケットボールから転向された中村さんは、どうですか。
中村 最初は、とにかく筋肉つければいいと思っていました。きちんと栄養を摂ればいいとか、そのレベルから始まった。到底アスリートというレベルではなかったところから始まりました。
筋肉を大きくするにはタンパク質、プロテイン飲んでおけばいいと思っていました。それが、トレーニング前には何を口に入れ、終わった後には何とか、そういう各栄養素のことを理解して摂取するようになってから、変化を感じられるようになった。サプリメントを効果的に利用できてから、筋肉痛の出方や回復も違ってきました。
——サプリメントはトッププレーヤーがさらに上を目指すときの強い味方ですね。
金剛地 ただトップアスリートの方たちは共通して、どんなときでも、いつでも、何でも食べられるような人が結構多い。好き嫌いあまりなく、暑い日の練習後でも結構食べられるという人が多いんです。そう考えると、胃袋が育っているとか、消化吸収できる身体に育つことは大事だな、と。子どもの頃からちゃんと食べる、どんな食材でも食べられるようにしておくのは重要ですね。トップ選手になると海外で試合することもあるので、いろんな食材が出てくる。そういうものも食べられる味覚や胃も腸もちゃんと動く身体を作るのは、まずは食事。そこを忘れてはいけないと思います。
その上で、サプリメントはすごく画期的で、活用シーンによってはプラスに働いてくれる。夏場で食欲がないときにプロテインを活用するのはとても良いと思いますし、寝起きで食べられないときも同様です。プラスアルファで活用すると、効率よく良い体作りにつながると思います。サプリメントは吸収しやすいので、食事との両軸で考えるとすごくいい。食事+サプリメントが最強です。それを考えると特に中高生には指導者や親御さんにも日々の食事の重要さやサプリメントの効率的な活用法を理解して選手たちに食事やサプリメントを与えてほしいと思います。
——お二人は海外ツアーに何度も出ていますね。
松井 学生のときは好き嫌いもあったので、海外遠征があると体重減っていました。社会人になってからはそれではプロ意識が足りないと思い、頑張って食べるのに加えサプリメントを持参して体重が落ちないように工夫しています。セブンズは、スリランカなど、なかなか環境的に厳しいところにも行きますので。
中村 私は何でも食べられるタイプです。スリランカも大丈夫。海外に行って違う味を食べるのも楽しみだし、好奇心で乗り切っています。炭水化物の摂取に関してはご飯がいちばん合っているのですが、ないときには、「カーボローディングのために、みんなでタピオカ飲みに行こうよ」という感じで女子っぽく楽しんでいます。セブンズ特有の環境に鍛えてもらった感じがします。
金剛地 先に出たスムージー作りも含め、どんな環境でも楽しめるって、すごく強いなあと思います。松井さんのように、大人になってから頑張って食べられるようになったのも素晴らしい。好き嫌いがある選手の場合でも、栄養の効果を伝えると食べる人もいます。栄養士として、その人に刺さる言葉のチョイスをしています。