東海大57―5関東学大。リーグ戦4連覇目指し初戦を快勝。強烈なタックルと集中力光る。
傘をさす子どもたちはスタンドの外にいた。
神奈川・小田原城山競技場での関東大学リーグ戦1部の開幕節は、無観客開催となった。坂の上で戦況を見つめる少年のお手本となった回数は、4連覇を狙う東海大の方が多かったか。
57―5。前年度8チーム中7位の関東学大を圧倒する。雨に見舞われながら、強力なセットプレーと激しい防御、何より好機をものにする集中力で際立った。勝った木村季由監督は、この日の収穫と課題をまとめた。
「敵陣で試合ができず苦しい時間帯もありましたが、我慢強くプレーしていた点はきょうのなかではよかった。相手のミスをスコアに繋げられたことで、少しゲームの点差スコアを広げられた。なかなか形で獲りきる場面(用意されたプレーでの得点)がまだまだ足りないので、そこは修正していかなくてはいけないです」
キックオフ早々、自陣10メートル線エリア左のスクラムで関東学大の反則を誘う。敵陣22メートル線付近に進むと、ラインアウトから左右に振ってSOの武藤ゆらぎがラインブレイク。左大外へ余っていたFLのオフィナ・アフがフィニッシュし、直後のゴール成功で7―0とする。これが快勝劇の始まりとなった。
関東学大には川崎清純がいる。身長191センチ、体重102キロ。7人制日本代表への選出経験がある大型FBは、副将としてラストイヤーに賭ける。
先制されて迎えた前半5分には自陣から相手の頭を超えるロングキックを放ち、今季から採用される「50:22ルール」に伴い敵陣ゴール前左でのラインアウトを獲得。24点差を追う前半28分には、敵陣中盤から駆け上がって1人、2人とタックラーをかわし、3人目を引き付け片手でオフロードパスを放つ。
しかし、いずれの場面でも得点は奪えなかった。
前者のシーンでは、ラインアウトからの攻撃でインターセプトを喰らった。
後者の瞬間は、川崎のパスをもらった走者が東海大FLのジョーンズリチャード剛主将にハードタックルをお見舞いされた。この時のリチャードが決めたような一撃は、別の局面でも東海大のFW陣によって放たれたもの。アフ、LOのワイサケ・ララトゥブア、NO8のノア・トビオが鈍い音を鳴らした。