【ラグリパWest】幻の中学日本一決定戦。 中宮×天理
経験者が軸になる中宮に対して、天理は兄貴分の高校との太いつながりを感じさせた。攻めはフラットのショートライン。守りはダブルタックルを決める。
「最低でも月に1回くらいは合同練習をさせてもらっています」
監督で事務職員の渡辺徹は話す。この大会での優勝回数は最多の3。仰星と並ぶ。
前半14、20分には高校も得意のラインアウトモールを押し込んでトライ。最初は9人、次は8人と圧力をかけた。
「試合は、はいりが悪かったですね。受けてしまいました」
渡辺は敗因を開始10分までの連続失トライに見る。この2校は今年3月、練習試合をした。その時は中宮が40点ほど獲り、天理はワントライ。過去の力関係も影響した。
この代替試合が正式決定したのは1週間ほど前。両校ともそれまでは部活動を停止していた。大阪では非常事態宣言が出ており、奈良は宣言こそなかったが、市の要請を受け入れる。試合は、「全国大会」、という特例に加えられ、練習が再開された。加えてこの日の奈良の最高気温は31度。調整不足に残暑もあった。それでも井本はにっこりする。
「試合ができてうれしかったです」
試合後には、大会開催なら参加記念品になった赤いタオル、ピンバッジなどが両チームに贈呈された。立ち会ったのは松原忠利。関西ラグビー協会の中心になる理事長だ。竹内哲也は試合などを映像におさめた。日本ラグビー協会のマーケティング部長は東京から泊まり込みで奈良に来る。当日の運営を支えたのは北畑幸二。主管の奈良県ラグビー協会では書記長である。レフリーはベテランの立川誠道。関係者は努力をする。
「子供たちにとっては十分ではないかもしれないけれど、去年は大会そのものがありませんでした。そのことを考えると協会をはじめ関係者の方々はよくやって下さった。感謝したいです。ありがとうございました」
黒田は謝辞で結んだ。
この代替試合、ラグビースクール部門の芦屋と伏見の試合などは10月10日に予定されている。関東では10月下旬をメドに調整されている。参加を予定していた中学生たちをなぐさめる試みは、しばらく続いて行く。
◆先発メンバー◆
【中宮中】
1竹崎司②
2西岡凌我③
3花岡透真②
4井本章介③
5永井豪③
6村上栞汰③
7上田倭楓③
8山添仁琴③
9名取凛之輔❸
10菅原幹太③
11鷺森大晟③
12伊勢亀大悟②
【天理中】
1奥村勇介③
2清家陸③
3平岩悠三③
4内田旬③
5門脇諒真③
6酒井健晴③
7安川和志③
8田中源太③
9生野壱②
10北原隼②
11隅田陸斗③
12山崎祥永❸
※丸数字は学年。白抜きは主将