海外
2021.08.28
ジェローム・カイノ、やり遂げた。オールブラックス81キャップからの新たなチャレンジ、有終の二冠
「ジェロームの存在はとても重要。少ない言葉で多くを伝える。オーラやカリスマのような目に見えないパワーとエネルギーを発している」とモラHCが言うと、「そんな風に言ってもらえて嬉しい。でも、僕もチームにいる才能に溢れた若い世代から熱いエネルギーをもらっている」とカイノが返し、すると「みんなカイノについて行っている。彼の発する少ない言葉を忠実に実行している」とSOロマン・ンタマックが続ける。
指導はエスポワールからスタート。「この夏休みはフランス語の勉強だ」
「現役時代に最も影響を受けたコーチは?」と聞かれると、「オールブラックスのスティーブ・ハンセン、グラハム・ヘンリー、ウェイン・スミス、マイク・クロン、そしてブルーズのパット・ラム。彼らはコーチとして優れているだけでなく、人間としても素晴らしい。でも、彼らの真似をするつもりはない。まず自分が積み重ねてきた経験を振り返って整理してから、若い選手に伝えていきたい。おしゃべりは得意ではないけど、コーチになったらそこは変えていかないと。この夏休みはフランス語の勉強だ」と言っていた。
グラウンドを離れると、フランスという国、その文化、料理を発見することを楽しんでいる。また「2時間あれば、スペイン、ドイツ、イギリスへも行ける。まるで世界の中心にいるようだ。NZでは考えられない」と地の利も満喫中だ。
トゥールーズの他のコーチと同様に、カイノもエスポワール(アカデミー)のコーチからスタートする。8月21日にトップ14のクラブチーム対抗のセブンズの大会がトゥールーズで行われ、出場している選手の多くはエスポワールだった。スタンドには、トゥールーズの試合をじっと見まもるカイノの姿があった。