コラム 2021.08.23

【ラグリパWest】新幹線通学は5年目に。武村晋 [灘高校/兵庫県]

[ 鎮 勝也 ]
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【ラグリパWest】新幹線通学は5年目に。武村晋 [灘高校/兵庫県]
名古屋からの新幹線通学が5年目に入る灘高の武村晋さん(右)。あこがれの先輩である中田都来さんとの1枚。中田さんはOBとして筑波大の医学群に進み、体育会ラグビー部でFLとしてレギュラーになった



 226キロ。
 武村晋(しん)の学び舎への鉄道距離である。駅は新守山から住吉。JRで愛知から兵庫まで5府県をまたぐ。

 新幹線と在来線を使う日々の通学は5年目だ。
「今はもう慣れました。学校生活は楽しいです」
 顔が笑みでくしゃっとなる。その日焼けはラグビーでできた。灘の2年生。この国トップの秀才が集う高校にいる。

「インパクトがあるのは、その距離ですよね」
 ラグビー部監督の武藤暢生は言う。かつてこの長さを来る部員はいなかった。

 起床は5時半。6時に母・夏楠子(かなこ)に車で送ってもらう。新守山へは10分。名古屋から新大阪は新幹線を使う。住吉から学校までは歩いて10分。自宅からはトータルで2時間30分ほどかかる。

「すごいです。僕は電車で9分でした」
 中田都来(とらい)はびっくりする。最寄り駅は三ノ宮だった。筑波大で勉学とスポーツの両道で実績を残しているOBはこの夏、練習に参加する。

 中田は6年制の医学群(部)の5年。この春まで4年間は体育会のラグビー部員でもあった。大学選手権で準優勝2回のチームで、2年からフランカーとして公式戦に出る。

 武村にとって中田は身近なスターだ。
「あこがれです。大学のトップとして活躍して、医学の道に進んでいます」
 この日はタックルを教えてもらった。

 灘は中高ほぼ一貫の私立男子校。この春の東大合格者数は97。首位・開成(東京)の144に次ぐ。ただ、率は高い。「リベンジ組」と呼ばれる高校入学の45人を含め、1学年は約220人。開成の半分強である。

 今の灘のトレンドは「東大か医学部」だ。
「僕は文系なので、大学では法律か経済を勉強するつもりです」
 来年度には受験がある。

 武村は小6の時、灘の文化祭を見た。
「好きなことができる感じで、先輩方の雰囲気もよかったです。校内にグラウンドも2つあって、設備も充実していました」
 ラグビーとサッカーは常に第2グラウンドを使える。人工芝化で卒業生に寄付を募った際、すぐに目標額に達した逸話が残る。

 合格した時は下宿も考えた。
「資料を取り寄せたりしたんですが、朝晩2食付きで結構かかりました」
 新幹線自由席を使った通学定期は1か月で10万円ほど。下宿代よりも安かった。

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