各国代表 2021.08.15

南ア32-12アルゼンチン。先発10人入れ替えの南ア、プーマスをノートライに押さえ込む

[ 編集部 ]
南ア32-12アルゼンチン。先発10人入れ替えの南ア、プーマスをノートライに押さえ込む
パワフルな突進を見せたNO8ヤスパー・ビーサ。4キャップ目の舞台(Photo/Getty Images)

 スコアは途中まで競ったが、スプリングボクスには手応え十分のゲームだった。

 8月14日、南半球4強国が争う「ザ・ラグビーチャンピオンシップ」の開幕戦が行われ、2019年W杯王者のスプリングボクスが、アルゼンチンを32-12(前半21-9)で倒した。

アルゼンチンのスコア12点はいずれもニコラス・サンチェスのPGによるもの。前週にアイリッシュ&ブリティッシュライオンズとの最終テストを戦っていた南アフリカは、先発10人を入れ替えてのスタートで、フロントローとFL、そして10番以降のBKを総入れ替えで臨んだ。それでも南アが、開幕戦に息巻く難敵プーマスを見事なキッキングゲームで退けた。

前半の2トライ、21-9のスコアは、今の南アにとって十分な逃げ切りパターンだったかもしれない。前半10-3のリードから、決まった2本目のトライは新鋭WTB、細身のアファレレ・ファシが決めた左隅への一閃。前半18分、SOエルトン・ヤンチースからのクロスキックを、この日ファーストタッチだったファシが、見事にキャッチしてインゴールへ駆け込んだ。

 アルゼンチンも抵抗、3本のPGでスコアするが、流れをつかみかけた前半終盤にチャンスを生かしきれなかった面もあり悔やまれる。南アは24分、38分にもSOヤンチースがPGを沈めて、南ア21-9アルゼンチンで折り返した。

 後半はスプリングボクスらしいディフェンスとFW力が前面に出た。

 ハーフタイム直後、流れは悪くなかったアルゼンチンが気迫の入りで逆転にかかる。42分にはSOサンチェスがドロップゴールを狙うなどアグレッシブに戦い44分にはPG獲得。南ア21-12アルゼンチンとしたところで南アは次々と交代選手を送り込んだ。ここで入ったフロントローがすぐに結果を出し、48分にはスクラムでの反則を引き出してのPG成功、さらに59分にもPGを決めて27-12で終盤を迎えた。最後は、モールから抜け出したマルコ・ファンステーデン(小兵。184㌢)がつないで、WTBジェイデン・ヘンドリクスがインゴールへ。終了前に突き放すトライとなった。

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 重要な開幕戦で、光ったのは正番号を狙う選手たち。

 SHコバス・ライナー、NO8ヤスパー・ビーサが、それぞれSHファフ・デクラークやNO8ドウェイン・フェルミューレンの不在を補ってあまりある活躍を見せた(この2選手は、前週のライオンズ戦にも先発出場)。

 SHライナーは、3-0で迎えた前半14分に、相手のパスミスのこぼれ球を手にして長駆、リードを広げるトライでチームを勢いづけた(G成功10-0)。トライだけではなく、ポイントからのボックスキックで味方を前に前にと押し出し、フィジカル勝負の試合を優位に持ち込んでいった。

 NO8ビーサは、ボールを持てば闘争心あふれるアルゼンチンのディフェンスに果敢にチャレンジ、格闘の前線で体を張った。

 そのほか、初キャップとなったHOヨセフ・ドゥエバもフィールドでよく働いた。後半出場のマルコム・マークス(クボタスピアーズ所属)らライバルに存在感をアピール。79分にトライを記録したWTBヘンドリクスは途中出場での代表デビューで初トライとなった。

 勝ち越したライオンズとのテストシリーズに続く開幕戦、南アフリカが難所を越えた。前年はパンデミックの影響でこの舞台への出場が叶わなかったが、2019トライネーションズでは優勝を遂げている。巻き返しへ、好スタートを切った。

(Photo/Gallo Images)

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