各国代表 2021.08.11

フィジカル番長! 8.14開幕の『ザ・ラグビーチャンピオンシップ』に臨む世界王者・南アフリカは磐石の体制

南アフリカ、ニュージーランド、オーストラリア、アルゼンチンの南半球強豪4か国によって争われる『ザ・ラグビーチャンピオンシップ』が、いよいよ8月14日に開幕する。今回の展望企画では、前回ワールドカップ(W杯)覇者、南アフリカにクローズアップ。

[ 編集部 ]
フィジカル番長! 8.14開幕の『ザ・ラグビーチャンピオンシップ』に臨む世界王者・南アフリカは磐石の体制
今夏に行われたブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズとの三番勝負を制した南アフリカ。チャンピオンシップでは2年ぶり5度目の頂点を狙う(photo/Getty images)

昨年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響でザ・ラグビーチャンピオンシップに参加できなかった南アフリカ代表“スプリングボクス”だが、今年は南半球のライバルたちとしのぎを削る舞台に戻り、2大会ぶりの優勝を狙う。

2019年のW杯を制し、現世界ランキング1位。コロナ禍の厳しい時を経て、7月には1年8か月ぶりのテストマッチをジョージア代表相手に戦い、その後は英国とアイルランドの精鋭を集めて結成されたブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズと激闘を重ね、たくましさを増して今大会に臨む。

日本でW杯優勝を遂げたあと、指揮官のヨハン“ラシー”・エラスマスがディレクター・オブ・ラグビーの仕事に専念し、アシスタントコーチだったジャック・ニーナバーがヘッドコーチに昇格したが、古くから互いをよく知る名コンビは継続して密接に協力しながらチームを作っており、盤石の体制だ。

ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ戦をメインターゲットにした2021年の船出は、ノンキャップの8人を含む48人が招集されたが、やはり中心はW杯優勝メンバーだ。FLシヤ・コリシ主将、LOエベン・エツベス、SOハンドレ・ポラード、WTBチェズリン・コルビなど、2019W杯の決勝でプレーした23人のうち18人がライオンズとのテストシリーズの試合メンバーに名を連ねた。

203㌢のLOエベン・エツベス。2015年シーズンはNTTドコモにも所属、現在は欧州トップチームの一角であるトゥーロン(Photos/Getty Images)
身長171㌢の体格で主力を担い続けるWTBチェズリン・コルビ(Photos/Getty Images)

南ア代表の特徴は、フィジカルでゲームを支配できること。接点のファイトは激しく、セットピースを武器とし、ライオンズ戦ではスクラムで圧倒するシーンが多かった。

バックラインにはエキサイティングなランナーが並び、ハーフ団はキックも巧みに使い、多彩なラグビーができる。

そして、負傷者が出ても、代役も経験豊富なハードワーカーを用意できる選手層の厚さがある。ライオンズとの最終戦は、2019年の世界最優秀選手であるFLピーターステフ・デュトイが肩の負傷により欠場となったが、それまでFW2列で豊富な運動量を見せていたフランコ・モスタートが7番をつけてカバーし、LOでは新たにルード・デヤハーが先発するなど、いずれもワールドクラスだ。

横浜でのW杯決勝でマン・オブ・ザ・マッチに選ばれ、2020年の南ア最優秀選手でもあるNO8ドウェイン・フェルミューレンは、手術した足首の回復に時間がかかりライオンズ戦には出場できなかったが、トレーニングには復帰しており、ザ・ラグビーチャンピオンシップでは勇姿を見せてくれるかもしれない。

ニュージーランドやオーストラリアは原則的に国内を拠点とする選手が代表の選考対象となるが、南アの場合は多くの選手が海外チームに所属しており、異なる文化やラグビーを吸収して持ち帰っているのもスプリングボクスが進化を続けている理由かもしれない。

そして、今年も南ア国内は感染症による混乱が収束しておらず、スプリングボクスにも複数のコロナ陽性者が確認されるなど苦しいシーズンを送っているが、それを克服してきたメンタルの強さがあり、彼らはさらにタフになっている。

経験豊富な選手たちは若手の見本となり、このレベルでのチャンスに値することを証明した有望株たちはハングリーに燃えている。

ニューフェイスのひとりである25歳のヤスパー・ビーサは、1年前は引退を考えていた選手だ。当時所属していたチーターズが厳しい財政状況に陥り、ラグビーをやめて実家に戻り家族と農業をやろうかと考えていたという。しかし、レスター・タイガースからオファーをもらい、渡英。プレミアシップなどでの活躍が認められ、今年、南ア代表に初選出されると、7月のジョージア戦で初キャップを獲得し、ライオンズとのテストシリーズでは第2戦と第3戦で背番号8を任され、奮闘した。

ほんの1年前はスパイクを脱ぐつもりでいたヤスパー・ビーサ。NO8で先発も
(Photos/Getty Images)

そのほか、ジョージア戦でデビューしトライも記録したWTB/FBアペレレ・ファシも2023年のW杯へ向けて成長が期待される若手有望株のひとりで、今大会ではほかにも新たなシャイニングスターが出てくるだろう。

『南半球4カ国対抗戦 ザ・ラグビーチャンピオンシップ』
8月14日(土)開幕!WOWOWにて放送&配信!

【第1節】
「南アフリカ vs アルゼンチン」

8/14(土)夜11:50~[WOWOWオンデマンド]※生中継
※8/14(土)夜11:50~[WOWOWプライム]にて放送 ※無料放送

【ブレディスローカップ 第2戦】
「ニュージーランド vs オーストラリア」

8/14(土)午後3:50~[WOWOWオンデマンド]※生中継
※8/14(土)深夜2:20~[WOWOWライブ]にて放送

【第2節】
アルゼンチン vs 南アフリカ
8/21(土)夜11:50~[WOWOWオンデマンド]※生中継
※8/21(土)深夜3:30~[WOWOWライブ]にて放送

【ブレディスローカップ 第3戦】
オーストラリア vs ニュージーランド
8/28(土)夜6:45~[WOWOWオンデマンド]※生中継

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