セブンズ 2021.07.29

東京五輪の熱闘、そして未来へ。ラグビー日本代表・松井千士「子どもたちに憧れられるように」

[ 編集部 ]
東京五輪の熱闘、そして未来へ。ラグビー日本代表・松井千士「子どもたちに憧れられるように」
試合に臨む日本代表と英国代表。日本の先頭はキャプテンの松井千士(Photo: Getty Images)


 東京2020オリンピックの男子7人制ラグビーは、フィジーの2大会連続優勝で幕を閉じた。
 新型コロナウイルス感染症の影響で無観客開催となり、歓声も拍手もない舞台となったが、選手たちは厳しい暑さにも対応しながら最高のパフォーマンスを披露しようとベストを尽くし、母国の人々を熱狂させ、感動を与え、ラグビーファンだけでなく、初めて7人制ラグビーを観た人たちも魅了したに違いない。
 決勝は、まさに世界最高峰の頂上決戦と呼ぶにふさわしい、歴史に残る名勝負となった。
 銀メダルに終わったニュージーランドも称賛に値する。熱闘の連続で銅メダルを獲得したアルゼンチンは、南米の人々に新たな夢を与えたことだろう。
 初出場したカナダ、アイルランド、韓国の奮闘も、未来につながる大きな一歩となった。

メダルを獲得したフィジー、NZ、アルゼンチンの選手たち。マスク姿で記念撮影(Photo: Getty Images)

 そして、日本は11位でタフな戦いを終えた。前回の2016年リオデジャネイロ大会で4位入賞の快挙を遂げ、自国開催の今大会はメダルが期待されたが、悔しい結果となった。それでも、初戦ではチャンピオンのフィジー相手に後半途中までリードするなど、これまで積み重ねてきた汗と努力の結晶を見せてくれた。

 男子7人制ラグビー日本代表の岩渕健輔ヘッドコーチは、「世界中の全ての方々が大変な状況の中で、選手たちがグラウンドに立てる機会をいただいたことを、心から感謝します。またそのような中でもチームに対して温かいお言葉をいただき、支えていただき、本当にありがとうございました」と感謝する。そして、「選手たちは、初戦に向けてベストな準備をしてくれていました。その初戦でチームを勝利に導けなかったことに強い責任を感じております。男子7人制日本代表、そして今回プレーをした選手たちはさまざまなところで競技を続けます。これからも選手、チームを何卒よろしくお願いします。本当にありがとうございました」とコメントした。

 キャプテンを務めた松井千士は、「目標としていたメダルには遠い結果でしたが、日本ラグビーファンの皆さんの応援メッセージが自分たちの大きな力になり、韓国に勝つことができました。コロナ禍の中でのオリンピック開催で大変な状況の方々に、自分たちの勝利で勇気や感動を届けたかったのですが、悔しい結果になってしまい申し訳ないです」と大会を振り返る。「しかし、これからもセブンズ日本代表は続いていきます。未来のセブンズ日本代表になる子どもたちに憧れられるような存在になるために行動していきたいと思います」

ノーサイド。戦いを終え肩を組むフィジーのトゥイヴアカ(左)と豪州のハッチソン。オリンピアンたちは人々を感動させ、夢や希望を与え、大切なものは何かを教えてくれた(Photo: Getty Images)


<東京2020オリンピック 男子7人制ラグビー 順位決定トーナメント結果>

▽準々決勝
・ニュージーランド 21 – 10 カナダ
・イギリス 26 – 21 アメリカ
・アルゼンチン 19 – 14 南アフリカ
・フィジー 19 – 0 オーストラリア

▽準決勝
・ニュージーランド 29 – 7 イギリス
・フィジー 26 – 14 アルゼンチン

▼決勝
・フィジー 27 – 12 ニュージーランド

▼3位決定戦
・アルゼンチン 17 – 12 イギリス

▽5位~8位トーナメント
・アメリカ 21 – 14 カナダ
・南アフリカ 22 – 19 オーストラリア

▼5位・6位決定戦
・南アフリカ 28 – 7 アメリカ

▼7位・8位決定戦
・オーストラリア 26 – 7 カナダ

▽9位~12位トーナメント
・アイルランド 31 – 0 韓国
・ケニア 21 – 7 日本

▼9位・10位決定戦
・ケニア 22 – 0 アイルランド

▼11位・12位決定戦
・日本 31 – 19 韓国

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