国内 2021.07.08

東大に20億円の個人寄付! 千葉県柏市のキャンパスに、研究用フィールドがオープン。社会人チーム 丸和の活動拠点に

[ 編集部 ]
東大に20億円の個人寄付! 千葉県柏市のキャンパスに、研究用フィールドがオープン。社会人チーム 丸和の活動拠点に
つくばエクスプレス「柏の葉キャンパス駅」近くにオープンする「東京大学センシングフィールド(仮称)」。社会人チーム・丸和の練習グラウンドを兼ねる(資料画像:東京大学)

  7月6日、東大・安田講堂で会見があり、丸和運輸機関が大きなプレゼントを東大に手渡した。

 社会人チーム(トップイーストCリーグ)に所属する同社(以下、丸和)は、和佐見勝社長が個人として東京大学に20億円相当の寄付をすることを発表した。

◆柏に拠点を移す丸和。内山将文ヘッドコーチ(左)と眞野拓也主将

 天然芝と人工芝2面あまりのグラウンドに、クラブハウスがついた「柏センシングフィールド」(仮称)を整備する。敷地は、東大の3大キャンパスである柏キャンパスにあり、広さ約5万2000平方メートル。フィールドが丸ごと計測機器となる設備で、これら「上物」のすべてが寄付で賄われる予定だ。

 東大の藤井輝夫総長は、この施設を活用し、丸和ラグビー部と共同研究を行っていくとした。研究テーマは、ラグビー選手のための最先端の「フィジカル・メンタル強化システムの開発」。東大としては、この共同研究など、多くの研究を重ね、スポーツ科学の知見を蓄積。その成果を、高齢者や障害者の分野に応用、一般社会の課題解決に貢献させる。丸和ラグビー部は、共同研究のベースとなる、選手の身体能力、動作解析、戦略戦術などについて、生きたデータを提供することになる。

丸和機関運輸の和佐見勝社長が、東大・藤井輝夫総長に施設寄付の目録を手渡す(撮影:松本かおり)
藤井総長は、柏キャンパスを「新たなチャレンジの場」と説明。東大にとって、フィールドそのものを計測施設とする試みは初めてのこと(撮影:松本かおり)
フィールド脇にはクラブハウスも建設される。普段は研究の拠点そして、丸和ラグビー部の活動拠点として使用される(資料画像:東京大学)

 東大にとっては、大規模な研究施設と機会を得るパートナーシップとなった。実際のフィールドでさまざまな計測ができるメリットは大きい。東大ではこれまでも民間企業との共同研究を数多く行ってきているが、20億円もの初期投資に、年間1000万円(総額約2億円)の研究費提供がついた今回のケースは極めて、異例だ。

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