日本代表 2021.06.23

世紀の大一番。日本代表がブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズと激突【日本代表戦、B&Iライオンズツアー J SPORTSで全試合配信】

[ 編集部 ]
世紀の大一番。日本代表がブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズと激突【日本代表戦、B&Iライオンズツアー J SPORTSで全試合配信】
6月12日にサンウルブズと久々の実戦を行なった日本代表。ワールドカップ以来1年8か月ぶりのテストマッチが、ライオンズとの歴史的一戦となった(撮影/髙塩隆)

豪華布陣のライオンズ。チームとしての成熟度に突破口あり!?

 歴史的一戦。そんな表現がこれほどふさわしい試合もないだろう。

 6月26日に日本代表が対戦するブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズは、イングランド、スコットランド、ウエールズ、アイルランドという強豪4か国の選抜メンバーによって編成される文字通りのドリームチームだ。結成は4年に一度で、近年は南半球のニュージーランド、南アフリカ、オーストラリアへ4年おきに遠征するのが通例となっている。つまりそれらの国々ですら、ライオンズと戦えるチャンスは12年に1回しかない。

 ツアーのために結成されるチームだけに、ライオンズがホームの地で試合をするのはさらに稀だ。かつてイギリス国内でテストマッチが行われたのは、1986年の世界選抜戦、2005年のアルゼンチン戦の2試合のみ。1888年から続くライオンズの長い歴史において、ジャパンはその3つ目のチームという栄誉に浴することになる。  

 6月22日には早々にジャパン戦に出場するライオンズの登録メンバーが発表されたが、イギリスおよびアイルランドのトッププレーヤーの中から選び抜かれたよりすぐりの精鋭集団とあって、その顔ぶれはまさに「ベスト・オブ・ベスト」というべき豪華さだ。キャプテンを務めるのは世界最多キャップ保持者であるウエールズの闘将、LOアラン=ウィン・ジョーンズ。そのほか、今年の6か国対抗で最優秀選手に選ばれた元気者のFLハミッシュ・ワトソン(スコットランド)、187cmの長身を生かし長いパスとキックでチームを前に出すSHコナー・マレー(アイルランド)、ラグビーワールドカップ2019日本大会のトライ王を獲得した天性のフィニッシャーWTBジョシュ・アダムズ(ウエールズ)らが先発に名を連ね、世界屈指のタイトヘッドと評されるPRタイグ・ファーロン(アイルランド)、精密機械のようなプレースキックと大型FWを仰向けに倒すビッグタックルが持ち味のSO/CTBオーウェン・ファレル(イングランド)らもリザーブ入りした。

ライオンズの先頭に立つアラン=ウィン・ジョーンズ。ただ一人前回の南アフリカ遠征(2009年)を経験しているレジェンドだ(撮影/早浪章弘)

 今回のライオンズの対戦スケジュールを見ると、日本代表と戦った後すぐに南アフリカへ渡り、南ア国内の4大強豪クラブや南アフリカA代表と5試合を実施。そして7月24日から3週連続で、2019年のワールドカップ王者である南アフリカと3テストマッチを行う。2013年のオーストラリア遠征、2017年のニュージーランド遠征に続いて3度目の指揮を執るウォーレン・ガットランド監督は、メンバー選考に際し「南アフリカとのテストマッチシリーズに勝てるチームだと信じている」と自信に満ちたコメントを残している。

イングランドの主将として日本でもおなじみとなったオーウェン・ファレル。1週前まで所属先のサラセンズの試合があったが、ジャパン戦でリザーブ入りした(GettyImages)

 もっとも、イングランドのプレミアシップとフランスのTOP14のプレーオフが重なり、所属先でのゲームに出場する選手が数多く出たため、イギリス海峡に浮かぶジャージー島で6月14日から始まったトレーニングキャンプの初日に集合できたのは37名中26名。今週の月曜日にはプレミアシップ決勝に進出したエクセター・チーフス所属の4人を除く33名がそろったが、チームづくりはまだ始まったばかりといっていい。5月末からハードな合宿を行い、サンウルブズと実戦もこなしているジャパンは、そのアドバンテージを生かした一体感ある攻守で突破口を開きたいところだ。

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