国内 2021.05.15

パナソニックがトヨタに逆転勝ちで決勝進出! 福岡堅樹ハットトリック!

[ 編集部 ]
パナソニックがトヨタに逆転勝ちで決勝進出! 福岡堅樹ハットトリック!
準決勝で3トライを挙げパナソニックの勝利に貢献した福岡堅樹。プレーオフ3試合で6トライ(撮影:早浪章弘)


 第58回日本ラグビー選手権大会を兼ねたトップリーグ2021プレーオフトーナメント準決勝の1試合が、5月15日に東大阪市花園ラグビー場でおこなわれ、5シーズンぶりの優勝を目指すパナソニック ワイルドナイツがトヨタ自動車ヴェルブリッツに48-21と逆転勝ちし、決勝進出を決めた。

 大一番で魅せたのは、今季限りでの引退を表明している日本代表38キャップのスピードスター、福岡堅樹だった。

 開始30秒、キックオフをレシーブしたパナソニックは自陣深くからボールを回し、WTB福岡が左外を駆け上がりビッグゲイン、FB野口竜司とのパス交換で再びボールを手にすると、相手FBウィリー・ルルーのタックルをかわしてインゴール左隅に飛び込み先制した。

 対するトヨタは4分、CTBロブ・トンプソンの突破からゴールに迫り、FL古川聖人がピック&ゴーでインゴールにねじ込みトライが認められた。
 同点としたトヨタはさらに9分、敵陣深くでのスクラムから右へボールを動かし、CTBマレ・サウから長いパスをもらったWTB高橋汰地がゴールラインを割り、勝ち越す。16分にもテンポよく攻め込み、俊敏で強さもある高橋が3人のタックラーをかわして連続トライを挙げた。

 その後、追うパナソニックはSO松田力也がペナルティゴール(PG)とドロップゴールで得点を重ね、トヨタもSOライオネル・クロニエのPGで加点し、トヨタの1点リードで前半を終えた。

パナソニックの野口竜司にプレッシャーをかける茂野海人らトヨタの選手たち(撮影:早浪章弘)

 後半の序盤に両チームともPGでスコアボードを動かし、僅差の状態は続く。

 そして、パナソニックは20-21で迎えた60分(後半20分)、敵陣深くに入ってラインアウトからモールを組んだあとボールを動かし、途中出場でFBに入っていた山沢拓也がタックルをかわして抜け、逆転トライを決めた。

 強みとするディフェンスでもリズムをよくしたパナソニックはさらに69分、中央を突破したFL福井翔大のビッグゲインでチャンスとなり、すばやいリサイクルからWTB福岡がフィニッシュ。SO松田がコンバージョン連続成功で加点し、34-21と点差を広げた。

 勢いづいたパナソニックは75分にも攻め込み、CTBディラン・ライリーがトライ。
 77分にはキックボールをキャッチしたWTB福岡が自陣からのカウンターで抜け、そのままゴールへ走り切り勝負を決めた。

 パナソニックのゲームキャプテンを務めたFL布巻峻介は、「最後は点差が開いたが、前半は苦しい時間帯が続いて本当にタフなゲームになった」と振り返る。前半、相手に3連続トライを許したあとは、「自分の仕事に100%集中するように」とチームに言い続けたという。後半の逆転につながったディフェンスも評価した。

 ハットトリックで勝利に貢献した福岡は、「タフなゲームになるのは予想していたし、トヨタさんが前半すごく強いというのはわかっていた。そのなかでしっかりと自分たちらしいプレーを出しつつ、後半、自分たちの強みを出し切って、試合を決めることができた」とコメント。決勝へ向けては、「チームにとっても、僕にとっても、トップリーグ最後の試合になる。悔いが残らないようにすべてを出し切って、パナソニック ワイルドナイツとしてもう一度優勝を経験できるように全力を尽くしたい」と力強く語った。

 準決勝のもう1試合、サントリーサンゴリアス対クボタスピアーズ戦は、16日に東大阪市花園ラグビー場でおこなわれる。

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