国内 2021.02.17
ラグマガで振り返る。トップリーグはこうして始まった(5)-真下専務理事に訊く-

ラグマガで振り返る。トップリーグはこうして始まった(5)-真下専務理事に訊く-

[ 編集部 ]
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 ただ外国人枠については、『登録人数に制限はないが同時出場は2人』という負担が大きくなりがちな現状に、企業側からは「3人」にという声も多く、そういう背景に対して「弾力的に対処していきたい」と真下専務理事。「NO8やCTBなどを外国人選手たちばかりで占めて、日本ラグビーの成長につながらない結果を招くことは避けたい」との意向を踏まえた上で、将来的には枠が広げられることになりそうだ。

 例えば、英プレミアシップがEU圏とそれ以外の選手に差別化を図っているように、アジア枠を設け、列強の元代表たちとは区別していいと思う。トップリーグの未来像について、「アジア各国のチームからの希望があるならそれらも巻き込んでいきたい。地域全体で盛り上げ、その先にあるのが、W杯誘致だと考えている」(真下氏)ということなら、なおさら実現させるべき点だ。また、日本代表の資格がある選手、そうでない選手の間に違いがあってもいいし、日本の教育制度で学んできた選手たちの現在の処遇の改善できないものか。

 「完成形としてスタートするものではない。発展していくものと考えて欲しい」と、トップリーグの伸びしろを睨む真下専務理事。運営についてはその道のプロに任せるアウトソーシングという形をとらず(チケット販売については別)、現有スタッフの再編、これまでの組織の改編で運営委員会を設置、軌道に乗せる計算だ。周囲の期待の大きさと、そのあたりのマンパワーの差に不安を感じるが…。

「特に、実際に現場で動くことになる各地域協会の専従スタッフを増やすことになると思います。そういう対応をとっていきたい。まずはそういう力を結束して、上昇気流に乗せ、『もう、プロの運営でないと捌ききれない』となるところまで持っていければ、と思っています」(真下氏)

 大枠は確立されたが、細部については「弾力性をもって」との表現も多い現状。リーグ開幕前の期待感、 直後の興奮を継続、進化させて行くには、日本協会の芯を貫くリーダーシップと柔軟性のバランスを持って推し進めてほしい。

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