ラグマガで振り返る。トップリーグはこうして始まった(5)-真下専務理事に訊く-
将来的にはアジアのチームも参加して発展。その先にあるのがW杯誘致
実際のゲームの充実は、マッチメイクや外国人レフリーの招聘などで実現の方向に向かいそうだが、ピッチの外の整備はどうか。例えば、移籍や外国人枠の問題。記者会見でも、配られた資料に記された移籍に関する細かな規約に対して「実力アップを求めるのなら容認すべき方向性も考えられると思うが」との質問も出たが、町井会長はきっぱりと「高い金額での引っこ抜きなどの可能性も出てくる。チームのためにも、選手のためにもならない」と答えた。
移籍に関する取り決めは、次の通り。
▶現行=移籍した場合、1年間は出場を認めない。
▶改訂=前所属チームからの「承諾書」(指定フォーマット)を所有する選手は選手登録期間中に登録完了した場合、試合出場が可能。
*承諾書がない場合、1年間公式戦に出場できない。
*いわゆる「レンタル移籍」はNG。
*所属チームが休廃部の場合は承諾書必要なし。
実際は、リリースする側の承諾があればこれまでも移籍は認められてきたわけで、大きな変わりはない。むしろ問題は、チームと考えが合わずに他チームに行き場を求めた選手が、前所属チームの承諾を得られず、1年間プレーの場を失っている現実だと思うが。承諾書のルールは、秩序を保つためにあっていいと思う。が、企業側ばかりが大きなアドバンテージを握っているのではないか。多様な雇用契約が存在する最近を考えるなら、紙一枚の有無ですべてを決めるより、正当な判断を下す調停委員会のような機関を協会に設けるべきだ。
外国人枠も登録人数に制限はなく、試合への出場は同時に2人までと、これまでと変わりはなかった。ただ、登録期限は2003年度こそ現状通り3月末日(日本国籍選手は8月末日)までだが、2004年度以降は国籍に関係なく全選手について6月末日までの登録に。また、3名までの追加登録を8月末日まで認めることになった。これまで外国人選手は登録後180日以上経過しなければ出場できなかったが、その点は多少緩和されることになった。