国内 2021.02.17
ラグマガで振り返る。トップリーグはこうして始まった(5)-真下専務理事に訊く-

ラグマガで振り返る。トップリーグはこうして始まった(5)-真下専務理事に訊く-

[ 編集部 ]
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レフリーのクオリティーが、リーグ成功の鍵を握る大きな要素のひとつ

 「皆さんが驚くような対戦で」と明言された開幕カード。試合の大詰めまで勝者が分からず、リーグ戦の最後まで優勝チームが決まらぬ展開がシーズン通じての興奮を呼ぶことになるだろうが、そのために欠かせぬ要素がレフリーのクオリティーだ。トップレフリーとしての長いキャリアを持つ真下専務理事も、「レフリングが、リーグ成功の大きなウエートを占めていると思う。プレーヤーの実力向上と、それぞれのチームの持ち味を十分に引き出すこと。その両方を実現させるバランスのいいジャッジを求めたい」と語る。

 ただ、その需要に応じられるだけの供給源が問題だ。1日に6試合開催される同リーグ。第3タッチジャッジまでを含めれば、24人のレフリーが最低ライン。そして、その質が問われる。

「実際に笛を吹くのはA1級(A=5人、A1=10人)より上のレベルとなりますが、ある程度の人数を固定して運営していかないといけません。いま、そのレベルに達しているレフリーが必要な数だけいるかと言えば疑問で、この春から継続して教育、トレーニングを重ね、育成していくことになります」

 現職レフリーのレベルアップを図るだけでは、限界が見える。新しくレフリーの世界に踏み込んでくる人たちを多く促す姿勢もある。例えば、高いレベルの勝負の機微を肌で知っているトッププレーヤーたちの、現役引退後の選択肢のひとつに奨励する考え。

「その意向は各チームにも伝えています。ファンクラブの創設を奨励しているのですが、レフリー育成の件も協力してほしい。希望してくれる人たちを募り、リストを提出してもらうなどいろいろなアプローチを仕掛けていきたいですね」

 即効性と育成の両面を考えて外国人レフリーを招聘する案も、早くに実現しそうだ。

「春から呼べるのか、シーズンを通して1人か、数人か、そのあたりは調整していきます。ただ、南半球から呼びたいと思っているのですが、W杯の影響がどれだけ出るか。ダメな場合はカナダあたりから呼ぶことも考えることになるでしょう」

 海外のトップレベルがピッチに立つことで選手、レフリー、ファンがグローバルスタンダードを体感、育成の場に立ってもらうことの影響はきっと大きい。また、プロフェッショナルレフリーの誕生についても氏は、「そういう資質のあるレフリーがプロとしての道を選びたいとなれば、こちらとしては環境を整えるもりはある」と前向きだ。

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