国内
2021.01.13
トップリーグ2021 開幕! 田村優は【ともに闘う。】TOP16それぞれの「タイトル」(1)
◎キヤノンイーグルス
田村優[SO]
【ともに闘う。】
天才肌。リーダーのイメージがわきにくかったタイプの人が今季のキヤノンを引っ張っている。2019年のワールドカップで日本代表を躍進させた司令塔がキャプテンを引き受ける際に出した条件は「そのままでいいなら」。沢木敬介新監督の「グラウンドでやるべきことをやってくれたらいい」の言葉を受けて走り出した。
その言動を聞くと「孤高」の言葉が頭に浮かぶ。しかし、田村優は仲間を大事にする。ともに闘う姿勢を見せる者にとても優しい。
甘い顔をするわけではない。むしろ、核心をついた言葉を投げかける。それはグサッと胸に刺さるかもしれない。本人のことを思っているから単刀直入にいうのだ。
「キヤノンにはいい選手が何人もいます。インターナショナルを狙える選手もいれば、そうではなくても、キヤノンには必要な選手という存在もいる。そう感じたら、これだけはやっておかないといけないとか伝えています」
主将就任当初「やる気のない者はやめてもらっていい」とチームメートに伝えたのは、突き放すのではなく、『ともに闘おう』との呼びかけだった。
プレシーズンマッチの試合中、ピッチの上でBKに声をかけ、FWを鼓舞し続けるキャプテンの姿があった。チームが勝利を重ねたのは、背番号10が作り出す空気とは無縁ではなかった。
コロナ禍で開幕のリコー戦は中止になったけれど、赤いジャージーがピッチに立った時、ファンが昨年までと違う空気を感じることは間違いない。