セブンズ 2020.12.25

女子セブンズ日本代表の新ヘッドコーチにハレ・マキリ氏。

[ 編集部 ]
女子セブンズ日本代表の新ヘッドコーチにハレ・マキリ氏。
ゼロベースからのスタート。「大きなチャレンジ。全力で成功に導きたい」とハレ・マキリ女子セブンズ日本代表新ヘッドコーチ。(撮影/松本かおり)


 残り7か月、メダル獲得に向けて準備を重ねていく男女セブンズ日本代表の体制があらためて決まった。
 12月25日にオンラインで開かれた記者会見で、男子代表はこれまでと変わらず岩渕健輔ヘッドコーチ(以下、HC)が指揮を執る。女子代表は稲田仁HCに代わり、ハレ・マキリ氏が新たに指揮官となった。

 岩渕、稲田両氏の任期が来年3月31日で満了を迎えるということもあり、日本ラグビー協会では10月から委員会を設置し、両HCについての評価をおこなってきた。
 岩渕HCは日本協会専務理事との兼任で多忙な日々を過ごしている。指導に注力できるのか否か、という観点も現職継続の鍵だった。
 しかし、岩渕HCはここまでの東京での合宿には全参加し、地方合宿に関しても多くをカバーできている。「プランニング能力、マネージメント能力、国際的なコネクション。そしてリオ五輪前からチームを支えてきた実績もある」(本城和彦 7人制日本代表チームディレクター)との評価で現職を継続することになった。

 女子代表を率いてきた稲田HCに関しては、選手を発掘してきた実績などはあるものの、「チームを、メダルを争える土俵にまで引き上げられていない」という評価。まだ伸びしろのあるチームと選手の力を引き出す役目はマキリ新HCに託すことになった。
 残り7か月というタイミングについては、コロナ禍でチームが不安定な時期の指導者交代はリスクが大きかったため、大人数で、合宿をしっかりとおこなえるようになってきたこの時期が「最適で最後のタイミング」(本城チームディレクター)とした。
「コーチング能力と明るいキャラクター、そしてネットワーク。マキリ新HCには、岩渕HCとともにセブンズ代表を指導した経験もある。チームを目指すところへ導いてくれる」と期待を込めた。

 マキリ新HCは42歳。現役時代はFW第3列として活躍した。ニュージーランド出身で、マオリ・オールブラックスとしてプレーした経験もある。
 2002年、鐘淵化学(関西社会人リーグ)で日本での生活を始め、翌年からサニックスに在籍。2013年度シーズンまでプレーし、日本代表にも選出された。26キャップを持ち、2007年ワールドカップに出場。同大会では全4試合に出場している。

 指導者としては、2014年度から2016年度までサニックスでFWコーチを務めた後、2017年から男子セブンズ日本代表のコーチを務めてきた。
 男女日本代表は指導交流をした時期もあり(男子指導陣が女子代表を指導)、女子代表についての知識もある。本人は「残りの7か月、ハードワークと同時に、スマートに強化も進めたい。ベストの環境、情報を提供していく」と抱負を述べた。

 新HCは新年1月8日からチームに合流する。これまでチームを率いてきた稲田氏も、パフォーマンスマネージャーとして引き続きチームにとどまる。選手選考へのアドバイスやコーチングのサポートなど、複数の視点から強化に携わっていく。

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