コラム 2020.12.24
【コラム】よいこのペナルティマネジメント

【コラム】よいこのペナルティマネジメント

[ 向 風見也 ]
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 トップレベルのクラブは公式戦を前に当日の担当レフリーの癖や傾向を分析する。現在展開中の大学ラグビーシーンでも、優勝候補の一角とされるクラブのスタッフは選手へ「次のレフリーは○○さんです。『レフリー!』じゃなく、ちゃんと『○○さん』と呼ぶように」と通達しているのだと証言する。

 大学ラグビーでのペナルティマネジメントといえば、個人的にはグラウンド外の出来事が思い出される。

 今季の関東大学ラグビー対抗戦およびリーグ戦では、試合会場での取材が制限された。

 有料観客試合の後は、両軍の指揮官と主将を含めた選手2名という合計3名によるオンライン会見のみ。無観客試合では主催の関東ラグビー協会および大学側が監督や選手の談話を録音し、専用のドライブで共有する。当初は、無観客試合の取材は全面的にNGと通達されていた。軟化したのが最終形態だった。

 なおルール制定に先立ち、幹事社や専門誌への事前相談はなかったという。加えて、感染症対策への協力、主催団体が万全な感染症対策を施している点へ無理解なメディア関係者は、少なくとも当方の周辺では皆無だった。

 無観客試合をカバーした某日、会場と徒歩圏内にあるコンビニエンスストアの前でちょうど試合を終えたばかりだったチームのコーチと目が合う。初対面ではないこともあり先方から声をかけられる。こちらは咄嗟に、「ここで話しているのは不適切なようです」という旨をやや平易な言い回しで伝えた。

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