コロナの苦難克服したフィジー。“オータム”3試合棄権後、初戦=最終戦でジョージアに快勝
オータム・ネーションズカップに招待されながら、新型コロナウイルス感染症の検査で多数の陽性者が出たためヨーロッパの強豪と対戦できなかったフィジー代表だが、12月5日にマレーフィールド(スコットランド)の芝を踏み、ジョージア代表と戦い38-24で快勝した。
■3位決定戦:アイルランド 31-16 スコットランド/5位決定戦:ウェールズ 38-18 イタリア
8か国の代表チームが参加したこの大会。グループBに入ったフィジーは、開幕節のフランス戦、第2節のイタリア戦、第3節のスコットランド戦を棄権することになり、同組の最下位扱いでジョージア(グループA 4位)との最終順位決定戦(7位・8位決定戦)に臨んだ。同大会で初めて戦う試合がラストゲーム。今年からヘッドコーチに就任したヴァーン・コッター率いる新体制の初陣でもあった。
チームに勢いをつけたのは、代表引退を撤回して2年半ぶりに“フライング・フィジアンズ”のジャージーを着た32歳のWTBネマニ・ナンドロだった。
前半1分、ルーズボールを拾って2人のタックラーをものともせず、ゴール左隅に飛び込み先制した。
フィジーはさらに5分、ゴール前のパワープレーでFLジョニー・ダイアーがスコア。17分にも敵陣深くに入ってたたみかけ、右に人数が余ってWTBチョスア・トゥイソヴァが難なくインゴールに持ち込んだ。
一方のジョージアは、10分にPGで3点を刻んだあと、22分にゴールに迫り、PRギオルギ・メリキゼが仲間の後押しを受けてトライラインを越えた。
しかし、雨風で難しいコンディションのなか、しぶといディフェンスも光ったフィジーは19-10で折り返すと、後半の早い時間帯にはスクラムをお家芸とするジョージアのFWパックを後退させ、活気づいた。
そして53分(後半13分)、“バス”の愛称で知られるパワフルランナーのWTBトゥイソヴァがゴール右に向かって次々とタックラーを弾き飛ばし、オフロードパスでFLメスラメ・クナヴラにつなぎトライが生まれた。
58分にはSOベン・ヴォラヴォラがディフェンス裏へのグラバーキックでナンドロを走らせ、5点を追加。身長195センチ、体重123キロの巨漢BKであるナンドロはさらに62分、ラインアウトからのムーブでディフェンスを破ってゴールに持ち込み、ハットトリック達成。28点差がついた。
闘球の情熱は南海の男たちにも負けないジョージア代表“レロス”は、昨年のワールドカップで敗れて以来の再戦に心折れることなく果敢に挑み続け、67分と78分にFLベカ・サギナゼの連続トライで意地を見せたが、エキサイティングな7位・8位決定戦を制したのはフィジー代表だった。