日本代表 2020.11.26

わくわく。バチバチ。男子セブンズ代表、滅多にない国内戦に燃ゆ。

[ 編集部 ]
わくわく。バチバチ。男子セブンズ代表、滅多にない国内戦に燃ゆ。
リオ五輪に続き2大会連続の出場とメダル獲得を目指す合谷和弘。(撮影/松本かおり)
スーパーサラリーマンこと加納遼大。キレがある。(撮影/松本かおり)
キックオフの獲得率を高め、勝負したい大石力也。(撮影/松本かおり)


 わくわくしているのはファンだけではない。
 11月29日、熊谷ラグビー場で『リポビタンD presents JAPAN RUGBY CHALLENGE 2020』が開催される。出場する選手たちも、その日が待ち遠しい。

 来夏に五輪を控える男女セブンズ代表候補と、来年9月開幕の(女子)ワールドカップへの出場、上位進出を狙う女子15人制日本代表候補がそれぞれセレクションマッチをおこなう。
 最終的な正代表メンバー入りへ向けてのサバイバルゲームのひとつではあるけれど、日本のファンの前でプレーすることが滅多にない各カテゴリーの選手たちは、国内で戦えることが本当に嬉しい。

 男子セブンズ代表候補の選手たちは、同セレクションマッチに向け、都内で準備を重ねている。11月25日におこなわれたトレーニング後、加納遼大(明治安田生命)、合谷和弘(クボタ)、大石力也(NEC)の3人が、それぞれの思いを話した。

「セブンズのことを多くの人たちに知ってもらいたい。スピード感のある魅力も」
 3人とも、そんな思いを胸に秘めていた。自分たちが没頭している競技の魅力を広めることでセブンズ人気が高まったり、競技人口が増えるなら、アスリート冥利に尽きる。エキスパートとしての矜持もある。

 一人ひとりの試合にかける思いは少しずつ違った。
「久しぶりの(ファンの前でプレーする)機会とはいえ、派手なプレーに走らず、自分らしいプレーをしたい」と話したのは加納だ。
「ゲームをコントロールしたり、空いているスペースにボールを運ぶことはチームの中でも長けていると思っているので、そういったプレーをしたい。チームとして練習してきたこと、個人的に取り組んできたことを出すと同時に、チームに必要とされているプレーをしたい」

 2016年のリオ五輪にも出場している合谷は、競争に勝ち抜く強い意志を示した。
「自分のプレーとしては、ステップや、試合の展開を作る司令塔としての役割を見てほしい」と話し、続けた。
「前回の五輪ではチーム最年少という立場で大会に出て、ベスト4に終わってしまった。だから来年の大会にも必ず出場し、自分の手でメダルを取りたい」
 試合に向け、チーム内でも競い合う気持ちが高まっていることを伝えた。
「バチバチやっています」

「身長があるので、キックオフ(ボールの確保)やボールを持って前へ出るプレーを見てほしい」という大石は、大柄でパワフルな外国出身選手と争わなければならないポジションで勝ち抜くために、「彼らにない運動量で勝負したい」と話した。
「みんな、それぞれ違う環境から(代表に)来ています。僕の場合、チーム(NEC)が応援して出して(派遣して)くれているので、恩返ししたいですね」

 ジャージーを脱げば丸の内のオフィスに立つ加納は、「オリンピック前に国内でプレーを見てもらえるのはこれが最後かもしれません。ジャパンの名に恥じないプレーをしたい」と言った。
 一人ひとりの思いがぶつかるセレクションマッチは、見つめる人たちの心をきっとつかむ。

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